名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ44)

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Aの能力は、制限が重い。

そうしているのは言わずもがなA本人のせいなのだが、どうにもAは自分の能力と上手く付き合いきれていなかった。
昨日ローの血を飲んだお陰だろう。今日はかなり調子が良かった。
やっぱり、生きた人間から与えられる血と、そうじゃない血では差があるのかもしれない。

兎に角、と頭を切り替える。
何とかして血液を手に入れねばならない。
比較的自由に能力を使えるうちに、血液を採取しておきたい。
ウエストポーチに入っている注射器といくつかの蓋がついた試験管を確認する。

＿＿＿＿本当に厄介だ。
悪魔の実の能力なんて、欲しくはなかった。

Aはため息をひとつ吐いて、ベッドに凭れ床に座り、膝を抱える。

過去を思い出さなかった日など無いが、
口に出して説明することも初めてだった。

そのせいなのか、嫌なことばかり思い出す。
目を瞑ればすぐに眠れるから。

こんな夜は、そう言い聞かせるくらいしか、
Aに出来る事は無かった。