放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ44)

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◆ローside

ふらり、ふらり、ゆらり。

Aの首が、歩く俺の作る振動に合わせて前後に揺れている。

Aの話しに耳を傾けすぎた。
Aは若干限界を超えた辺りだろう。いつ泣き出してもおかしくない。そうなる前に水を飲ませて、落ち着かせて、そして寝かせなければ。明日の体調に差し障る。

Aを片腕で支えながら誰もいない静かな食堂へはいり、手早く経口補水液を作る。
水、砂糖、塩、レモンはあるだろうか＿＿＿ああ面倒くさい。能力を使ってさっさとそれを切り落としほんの少し絞る。残ったレモンは、どうせアイツらが酒を作るのに使うだろう。放置。

「こうしてローに抱っこされんの久しぶり」

「俺の手を煩わせるな」

「えー、いいじゃん、たまには」

たまには、そうだな。

ふん、と少しだけ鼻で笑ってやると、嬉しそうにAはにこにこと揺れた。

「っぶねぇだろ落ちるぞ」
「ローが支えてくれるじゃん」

わーい筋肉、きんにくだるまー、なんて言っている。マジでナメてんのかという気持ちと、ちょっと可愛いなという気持ちが、半々。

そのまま連れて行くのは船長室。けどすぐに横にして寝かせてしまうと余計に酔いも回るし顔も浮腫む。Aを抱いたままソファへと自分が座って、Aを膝に座らせる。間違ってもAが水分補給をせずに寝てしまわないように。
脚は返してやらない。Aもまだ返してもらえると思っていないのか、返してくれとは言わなかった。慣れすぎだな、なんの仕置にもなっちゃいねぇ。