放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ38)

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「『仲間が大好きって顔に書いてあったから、船長もあれ以上誘えなかったんだと思うよ』って！」

えへへ、えへへと笑って話すA。
それでね、それでねとAは続けて話を進める。多分、その場にいた全員、自分たちの会話は止めてAの話だけを聞いていたと思う。Aの顔には、酒で赤くなった物とは全然別の幸色に彩られたような、幸福が顔へと滲見でている。
だめだこりゃ。その表情の破壊力も言葉の力を後押しして50HIT。

「『きっと素敵な仲間なのね』って、沢山言われたの、何にも話してないのにね、私凄く嬉しくて、『自慢の仲間なんだ』って、凄く自慢しちゃった」

結局、彼女が話したかったのは、旅先で出会った面白く楽しい海賊団の話等ではなく、自分の所属する海賊団＿＿＿＿俺たちのことを褒められて嬉しかった、と。それで沢山調子に乗って自慢してしまった、と。
どうもそういう話だったらしい。船長はもう完全にぐったりと項垂れている。100HIT余裕で入ったなぁ。

ぼんやり脳内で、所謂格闘ゲームみたいな画面を思い浮かべた。間抜けなことにAは笑顔で喋っているだけだが、船長は完全K.O.だろう。

それからさぁ、なんてまたけらけらと楽しそうに話し出すAの言葉を遮る人はいなさそうだ。

隣でどす黒いオーラを放っていたはずの船長は、割ったグラスもそのままに、地面とにらめっこして項垂れている。
はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
と、滅茶苦茶深くて長い溜息が聞こえて、どうにも笑ってしまった。
俺もちょっと溜息着きたい。