【文スト】花二輪 (ページ19)

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中原は冷蔵庫からハムを取り出し、薄くバターを塗った食パンにハムを乗せオーブントースターへ入れた。
焼き上がる間に、フライパンに油を引いて卵を落とす。
絶妙な半熟目玉焼きが完成し、焼き上がったハム乗せトーストに目玉焼きを乗せた。
そして、ホットミルクをテーブルに置き、Aの朝食が出来た。

中原「さっさと食え。手前にはやる事が山程有ンだからよ。」

「い、いただきます。」

一寸、否、かなり驚いた。
チラチラ見ていたが、其の作る手際からして、料理の腕が上級者、プロ並みだ(笑)
そして、味は····勿論美味い。

食べ終えたAは、中原に連れられ、挨拶回りした。
此の話はまた何れ。

挨拶回りも終え、次は何をするのかと問えば····

中原「····拷·問訓練だ。」

「···は?」

思わず聞き返す。
中原は顔をフイッと反らせし、再び云った。

中原「拷·問訓練だ。万が一捕まった際、情報を吐かないよう鍛えるんだよ。」

新人にいきなり其れは無いんじゃないか、とAの目が訴える。
其の視線を受け、軽く舌打ちする。

中原「首領命令だ。」

こう云われてしまったら、何も云い返せない。

中原「一応加減はしてやる、が···覚悟はしておけ。」

「······。」

暫く歩き、着いた場所は地下三階。
重く湿った空気。血と埃と死の臭い。
拷·問部屋内は、所々が赤黒く、まだ新しいモノもこびりついていた。

ゴト、と部屋の真ん中に椅子を置き、座るよう目で指示する。
渋々、と云った様子でAは座る。
手を後ろに回され手錠を掛けられ、足枷を付けられる。
そして、中原は懐から良く手入れされた短刀(ナイフ)を取り出した。