【鬼滅の刃】宇髄天元の同期【男主】

第28話 ページ30

視点：宇髄天元


それからというもの、同期ということもあるからか任務もほぼ一緒だった
　
任務を重ねていくたびに、お互いの事を知り話した
　
　
もちろん抜け忍のことも…
　
話したとき俺は多少はAに幻滅されると思っていたのだが…
　
　
　
『すげぇ、天元お前は忍者か！！』
　
『俺も忍法とやらを知りたい！！』
　
　
『それよりか、派手派手で忍者できるのか！？』
　
　
毎回毎回、ド派手に予想の斜め上の答えを返してくるあいつに笑いはつきない日々だった
　
嫁の事も紹介した
　
嫁達もAの事を気に入り信頼している様子だった
　
　
　
だが、そんな俺でもAとの忘れられない出来事があった
　

俺達が柱になる前…甲の時の話しだ
　

癸から一緒にいたはずが、その時初めてAの危うさを知った
　
　

『うぅー！腹いっぱいだ！』
　
『あれだけド派手に食えば腹もいっぱいになるだろ』
　
　
他方でそこそこの任務をこなし、もう夜も明けかかると言う事で俺達は藤の家に邪魔していた
　
　
『いい人だよな、こんな時間なのに飯まで用意してくれるなんて…ありがたや！』
　
　
ボスンと敷かれた布団に飛び込むA
　


『ったく、お前はほ『カァァァア！！』あっ、ぶねぇ！』
　

呆れながらも、布団に向かおうとすると俺のギリギリを飛び込んできた鎹鴉

　

『カァァア！カァァア！伝令伝令ｨ、一夜ニシテ村１ツ“壊滅“！！数名ノ隊士ガムカウモ連絡ナシィ！！』
　
　
『は？』
　
　
俺達が他方で任務をこなし、藤の家で休んでいたとき凄い勢いで飛び込んできた鎹鴉
　
　
『今スグ迎エｪ！次ノ村ヲマモレ！！』



　
　

　
　
　
『…おい、本気かこれ…』
　



伝令の通り、村１つ壊滅状態だった
　
村中が真っ赤に染まり上がり、噎せ返るぐらいキツイ血の香
　
　
　
『…天元、駄目だ…“何も感じられない“』
　

　
Aが悔しそうに、ポツリと呟く
　
気配を読み取る事、感じとる事に優れたAは村に着くなりすぐに気を巡らせたのだろう
　
　
どんな気配も感じるとるAの“何も感じられない“の意味…
　
　
『…！これって、鬼殺隊の隊服…』
　
『…癸か』
　
　
ボロボロに裂かれた隊服に、そばに落ちていた日輪刀の持ち手にあるその人の亡骸
　
　

『…安らかに眠れ』
　
　
　
　
　

　
　
『天元、行こう』
　
『あぁ』

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