睨まないでよ【シルバー】 (ページ4)

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笑えない冗談ねページ4

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「おねえたんの試合もすごかったよ！」

『そんな！おじたんのディアソムニア寮戦に比べればあんなもの……お恥ずかしい限りです』

「よく真顔で言えるな」

エースがまだ「おじたんｗｗ」と笑っている。チェカにお声をかけて頂いた為跪いて笑顔で返した。レオナはそんなAを有り得ないものを見る目で見てきた。

「おいチェカ、マジフトもソイツに教えて貰え」

『なに言ってんだこのひとは』

冗談は歳だけにしてくれ。そして散々エースとデュースに試合のことを掘り返され、トレイは末代まで祟ると決めたのだった。

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「本年度のマジカルシフト大会の売り上げは前年度に比べて１２％アップですか。上々の結果ですね」

「でもさぁ～、今回の大会オレたちビリから数えた方が早い順位だったじゃん」

『それは誠に申し訳ございませんでしたねぇ』

「えぇ？イルカちゃんのせいじゃないよ～」

フロイドがAの膨らんだ頬を突いた。何が違うというのか。目が笑ってないジェイドが微笑みながら言った。

「こんな風に目の前で引っ付かれては目に毒です」

『あたしもしたくてやってるわけじゃないもの』

目に毒は言いすぎ。フロイドのパーソナルスペースがバグってんのは今に始まったことじゃないし、ジェイドも人の事言えた義理じゃない。

「そんなもの、最下位でなければいいんです。所詮マジカルシフトなどディスクを追いかけて犬の様に庭を駆けまわるただのお遊び」

『お遊びでも負ければ悔しいものよ』

Aが吐き出すようにそう零すと、アズールは優しくポンポンとAの肩を叩いた。

「お前の言い分はわからなくもないですが、僕たちオクタヴィネル寮が本気になるべきフィールドは────」

『”期末テスト”なんでしょ？』

だから耳にアズールが出来るほど聞いたって。というAの軽口に本人はムッとする。
マジカルシフト大会が終わったばかりだが、オクタヴィネル寮は早速次の仕事に取り掛かっている。不穏な空気のモストロ･ラウンジでペラペラ書類を捲っていた。

「アズール。早速、依頼人から連絡が。今夜、ラウンジに直接お話にいらっしゃると」

「わかりました。では特別なおもてなしの準備を。さて、どんなお願いをされるやら。楽しみですね。フフフ……」

『………』

これからなにが起こるかなんて予想もつかないけど。良くないことが起きる、ってことだけははっきりわかった気がした。