睨まないでよ【シルバー】 (ページ2)

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おじたん、あたしは？ページ2

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医務室へ入るとチェカは目を輝かせ、手に持った飲み物を零しそうになる勢いで、一目散にレオナの元へ走っていった。

「あーーっ！おじたん！やっと見つけた！」

『チェカさん……』

Aは頭を抱えた。因みにチェカさんと呼んでいる訳は、話している間に仲良くなっていき「チェカって呼んで！」と真ん丸な目を更に丸くして可愛らしく懇願されたからである。可愛いは正義、このことだろうか。話がそれるがラギーやリドルにも同等の可愛さがあるとAは思った。

「ン？何なんだゾ、この子ども」

いつもより目を大きくしてグリムがそう言った。周りが見えていないであろう小さなライオンの彼は、レオナのベッドへ走った。

「レオナおじたん！」

「あ～……クソ。うるせぇのが来た」

『可愛らしいじゃありませんか』

Aがそう言うと、レオナは小さく舌打ちをして怒りを露わにした。Aを除いた全員が目をまん丸にして、レオナとチェカを交互に見ている。ジャックが疑問を声に出した。

「レオナ、おじ………たん？」

彼らの反応が面白おかしくて、くつくつと笑いを堪えた。レオナさんは半目気味に溜息を吐いた後、心の底から面倒そうに言った。

「この毛玉は兄貴の息子のチェカ。……………………………俺の甥だ」

「お、甥～～～～～～～～！？」

皆決まって同じ反応をする。別に甥がいること自体は珍しく無いのだと思うけれど。アジームでもついこの間一番下の弟が生まれた。関係ないけど。
ラギーは目を見張ってチェカをまじまじと見た。

「ってことは、これが王位継承権第一位の……？」

『護衛もつけずほっつき歩いているところを保護させていただきました』

「流石すぎてなんも言えないッス……」

Aはラギーに購買で買った飲み物を渡した。｢対価は取りませんから｣と言うと、大喜びしていた。現金な(可愛い)人だ。レオナのベッドの脇にも置いた。
悪いな監督生、キミの分は次期国王に献上した。誇りに思いな。

おじたん(笑)のベッドの脇でキャッキャッと喜ぶチェカは、初めにAとした約束なんて忘れているだろう。悲しい限りだ。しくしく。

「おじたんの試合、カッコ良かった！今度帰ってきたら、僕にもマジカルシフト教えて！」

「わかった。わかったから、耳元で大声出すな」

『おじたんあたしにもマジカルシフト教えてよ』

「そんな姪はいねぇ」