笑わせないでよ【シルバー】 (ページ10)

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不満じゃないけどページ10

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アズールに連れられて、３人がいつも使っているのであろうテーブルに着いた。そこには既に双子がいた。フロイドはパスタのフォークを振り回して私を呼んだ。

「イルカちゃん、こっち～。」

『フロイド、行儀が悪い。』

「おやおや、宛ら母親ですねぇ。」

『こんな大きなウツボ産んだ覚えはございません。』

アズールにエスコート(？)され、椅子に座った。アズールが料理を取りに行った隙に、二人に思いを吐き出した。

『いや、アズールさん甘ったるすぎ……こっちが胃もたれしちゃうよ……』

ううう、と泣き言を零しながらお弁当箱を開いた。

「なにかアズールに不満でもありましたか？」

『いや、不満じゃないけど……こんなオヒメサマ扱いみたいなのされたことなくて、慣れてないんだよ……』

「陸のメスってそーなんだー。」

『いや、あたしくらいなのかな……普通の子なら大喜びするだろうけど、あたしにはハードルが高すぎる。恥ずかしいったらありゃしない。発作性頻拍症かと思ったよ……』

Aがそう呟くと、一瞬静寂に包まれた。今のギャグが伝わらなかったのだろうか。ジェイドが何とも言えない表情で笑う。

「ありすぎる知識も面倒なものですね……」

「ほっさせーひんなん……なんて？」

『動悸がするってこと。……そう言えば前もよく動悸が激しくなってたけど、治ったな。』

フロイドが未だに「ほっさせー…」と呟いている中、ジェイドが目を丸くした。こっちが驚く。

「……それは、どういう時にですか？」

『それが………シルバーと、いる時。』

そりゃ動悸もなくなるわな。会わなくなったんだもん。向こうも会いたくない。あたしも脈が正常。winwinじゃないか。なにが気に食わないんだ。イライラする頭を掻き、溜息を吐いた。

「イルカちゃんはクラゲちゃんに会いたくないの～？」

『向こうが会いたがってないからね。あたしは捨てられたの。』

前までは親に捨てられたんだとばかり思ってたけど、今じゃ育ての家族に捨てられてるし。

『……ホント、どんだけ嫌われてんだって話だよ……』

今日だけで何回溜息を吐いたのか分からない。するとアズールが戻って来た。

「悩み事ですか？」

『はい！ジャミルにアズールさんにだけは悩み事を話すなと釘を刺されました！』

余計な事を…と聞こえてきたのは聞かなかったことにしよう。アズールはAの隣に座った。ウツボがニヤニヤしてんのは無視だ。無視。