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昔話2 ページ33

梶side




「短歌や詩を楽しんでいたと思えば、映像技術を駆使したステージで歌って踊り
 行燈で夜過ごしていたと思えば、えるいーでぃーで昼夜を問わず煌々と…」


いいんですけどね、とは言いつつも表情は不満気だ


梶「100年前っていうと…」

寺島「1900年代でしょ…明治時代とかじゃない?」

梶「あぁ、文明開化の時代」

「文明開化するならすると事前に言っていただければ
 私だってもう少し興味を持って過ごしていたのに・・・」

寺島「そんな無茶な」

梶「山籠もりする前に、何か丁度変わったなーっていうところないの?」


そう聞くとAくんは思い出すように斜め上を見ながら腕を組んでしばらく唸る


「暦が太陽暦になったことでしょうか」

寺島「あー、そっか。そんなに最近なんだ、太陽暦って」

梶「最近って言えるほどではないけどね」

寺島「まあそうだよね。100年前だし」

「あとは、山籠もりするちょっと前にできた建物が、起きたら国宝になってました」

寺島「えっ!?」

梶「どこどこ?」

「富岡製糸場、という名前でしたかね」

梶「あー、あれそうなんだ」

「あとは、起きたら食文化が肉食になっていたのは嬉しかったです
 魚も美味しいのですが、いかんせん肉の方が食べ応えがあって」

寺島「いろんなことが変わってるんだね」

「そうですね。でも、目に見える文化だけでなくて、音も結構変わっていたり・・・」

梶「音?」

「はい。昔は至る所に小川があって、川のせせらぎが聞こえて、そこで洗濯をする音もして
 馬車や手押し車の車輪の音、下駄で桟橋を上る音や、草履の砂を踏む音」


目を閉じて、懐かしむように話すA


「風鈴、かざぐるまを振売する音、それこそ聞き心地のいい香具師の口上など
 あ、そういえば養成所なんかでも外郎売をされるとか」

寺島「やったやった」

「そういった口上が神社や縁日なんかでも飛び交っていたのですよ」

梶「へぇ…音かぁ、あんまり考えたことなかったな」

「もちろん自然のスズムシやフクロウ、野鳥の鳴き声もしていましたし」

梶「昔は森も多かったもんね」


蛍も飛んでたっていうし…

今も自然の多い所だと聞こえるのだろうか


寺島「なんかAくんといると昔を身近に感じるね」

「昔と今がこれ程明確に隔たれる程発展するとは思っておりませんでした」

梶「でも最初よりはだいぶ馴染んだんじゃない?」

「そうですかね?」

2「・・・う、うん」

「なんですか、その間は」

ドア巡り1(下野、寺島、岡本)→←昔話1(寺島、梶)



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作者名:うるげぃりあ | 作成日時:2023年4月10日 19時

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