【暮雲春樹】２ ページ40
岡本side
岡本「川沿いだったらあっちの道が近いかな」
「あちらですか」
岡本「近いって言ってもちょっと歩くけど、散策にはちょうどいいかもね」
「そうですね、せっかくですし道中も楽しみましょう」
そういって早速歩き出すA
意気揚々としたその足取りの後を追うように付いていく
しかし、Aの足は数歩歩いたところで止まってしまう
「岡本さん」
岡本「何？」
「あの人はどんな罪を犯したのですか」
眉根を寄せて信じられないもを見つけてしまったという表情で指さす先を覗くと
そこにあったのは公園などによくある奇抜な格好をした銅像だけだった
岡本「人…？」
「あのような奇抜な格好で石化された挙句雨ざらしの場所に放置するなど
どんな罪を犯せばそのような罰を与えられるのですか？」
ここでようやくAの質問の意図を理解し
思わず頭を抱えた
岡本「A、あれは銅像」
「銅像、ということは偉人なのですか？なぜあのような奇抜な格好を…
寡聞にして存じ上げず、失礼しました」
銅像に頭を下げるA
岡本「いやたぶん偉人ではないかな？」
「？…偉人でなくても銅像になれるのですか？」
岡本「あれはアート作品だから」
「アート･･･ミロのヴィーナスのような」
岡本「そうそう」
「このような道端で？」
岡本「うん」
「雨ざらしの場所に」
岡本「そうだね。大衆に触れられるように、とか…アートを身近にとか？多分そんな感じ」
「なんと、崇高なお考えですね」
納得し、見直したとばかりに銅像の鑑賞を始めるA
十分に鑑賞し終わった後、再び歩き始めたが数メートル進んだところでまた止まる
「岡本さん、あちらに鳥の巣らしきものがあります」
岡本「あ、ほんとだ」
「針金等を使っていて鮮やかですね」
岡本「だね。カラスかな」
「随分と街中に作るのですね」
岡本「昔より住む場所が少なくなったからかもね」
「なるほど。確かにそうですね」
そしてまた満足して歩き始める
しかし、歩きながらも常に何かが目に留まるのかふらふらとしていて危なっかしい
ｷﾞｭｯ
岡本「うわ、A手冷たいね」
「岡本さんは暖かいですね。えっと…なぜ手を？」
岡本「ちょっと危なっかしいから、手繋いどこうと思って」
「あ、すみません。つい色々と気になってしまって」
岡本「いいよ、ゆっくり行こう。時間はたっぷりあるから」
「ありがとうございます」
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猫。 - 推しが絡んでる...！推しと推しが...！紀章さんと諏訪部さん大好きで、うらつくあんまり二人出てこないので嬉しかったです！ありがとうございます！ (2023年4月23日 18時) (
レス) @page7 id: f02eee6231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うるげぃりあ | 作成日時：2022年5月14日 0時
