【日常系】異世界転移者のチート声優ライフ３【男性声優】 (ページ38)

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人、時々猫　安元編３ページ38

Aside

誰かの気配に気が付きながらも
あまりの心地良さに負けて眠り込んでしまった

しかしガシガシと頭を振られ、さすがに目を開けると
そこにはいつの間にか帰っていた安元さんがいた

びっくりして一瞬思考が止まるが、そうだ。思い出した
暇すぎて猫になって日向ぼっこをしていたんだった

「何やら心地良いと思っていたら、安元さんだったのですね」

出迎えることが出来ずに申し訳ないと思いながらも
安元さんが来てくれて嬉しい

「お帰りなさい」

そう言うと、なぜか安元さんは居た堪れないような表情を浮かべて抱きしめてきた

普段より圧倒的に小さな今の身体は、簡単に安元さんの腕の中に包まれてしまう
３６０度全方向が安元さんで埋め尽くされながらも、じっと安元さんの温もりを感じる

「暇だったので日向ぼっこをしていたのですが
　そんな身体よりも安元さんの温もりは暖かいですね」

安元「なんで暇だから猫になって日向ぼっこをするって思考になるんだよ、お前は」

私の背中に顔を埋めたまましゃべるので、もごもごとしていて聞き取りずらいが
なんとなく言葉の端々から怒気を感じた気がした

「ん、くすぐったいです。安元さん何やら怒っていますか？」

安元「・・・」

「わ、私何かしてしまいましたか？」

安元「・・・」

訊ねてみても無言のまま

ど、どうしよう･･･

しかし、こうやって抱きしめられているのだから
嫌われたということでは恐らくない…だろう

「あ、えっと、お酌しましょうか？」

安元さんの腕の隙間から僅かに見えたお酒とグラス

ﾓｿﾞﾓｿﾞ

「安元さん、このままではお酌できません…一度放していただけませんか？」

こうやって包まれているのは正直心地がいいが
そんな欲望に負けてこのままでいるわけにもいかない

なので解放を要求したのだが

安元「ダメ。離れたら許さない」

「えぇ･･･」

まさかの返答をいただいた

しかし、そう言われては私は大人しくしている他ない
というか、許さないということはやはり怒っている！？

「うむむ」

原因も解決の糸口も見つからないまま、ただ待つ

安元「A」

「は、はい！」

安元「にゃーって言って」

「えっ？にゃ、にゃー…」

安元「今日はもうそれしか言っちゃダメだから」

「にゃ！？」

安元「俺をこんな目に合わせた罰」

「にゃぁ」

安元「ぐっ、可愛い…」

「ふぎゅ」

安元さんにきつく抱きしめられる

これは罰というより、ご褒美では…？