【男主】異世界転移者のチート声優ライフ１【短編集っぽい】 (ページ44)

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転移者、家を買う…いや、作る。おまけ２ページ44

寺島side

テレビの配線を終えて、Aに感謝されながら安元さんの出ている番組を視聴した後

「あ、そうでした寺島さん」

寺島「ん？」

Aが思い出したように振り返る

「寺島さんにお見せしたいものがあるんです」

そう言って連れていかれたのは、ある引き戸の前

あれ？前こんなところに引き戸なんてあったっけ？

「どうぞ」

疑問に思って固まっているとAに促される
意を決してその引き戸を開けると、そこには

寺島「玄関？」

なぜ家の中に玄関

「ささ、奥へどうぞ。あ、玄関は塵一つないので綺麗ですよ」

そうは言われても
靴下のまま玄関を進む違和感を感じながらAの後に続く

寺島「・・・いや、広くない？」

「もうすぐ着きます。はい、ここです」

広い和風建築の中を案内されることしばらく
到着したのは、広縁だった

そしてなにより驚くのは、その広縁から見える文化財にもなりそうなほど美しい日本庭園

「前に模型を作ったときに綺麗とおっしゃっていたので」

寺島「それで作ったの！？」

「はい！魔法を使わず手塩に掛けて作りました！」

寺島「いや、それは･･･嬉しいけど･･･すごいな」

凄すぎて正しい感情が口から出てこない

「場所は東京から少し遠いのですが、あの家のあの扉からいつでも来れるのでお手軽です」

寺島「あ！そうだよね！？家の中にこんなのある訳ないもんね！？」

異常事態すぎて全然気が付いていなかったけど
そういえば東京の部屋の引き戸を開けた先にこの景色があるのはおかしい

「あの扉とここの玄関の扉を同じものとして位置付けているので大丈夫です」

何が大丈夫なのか

寺島「てことは、気付かない間にまた瞬間移動してるってこと？」

「うーん、そうですね。そうなりますね」

なんで僕はこうもあっさり瞬間移動をするのか
もっとなんか心構えがあるものだと思っていたのに

寺島「いや、そもそも瞬間移動をするっていう事象自体おかしいでしょ！！」

「え、ど、どうされました？」

寺島「・・・ごめん、Aに毒されてたなってのを一瞬冷静になって自覚した」

「私毒持ってませんよ！？バシリスクじゃないんですから！」

寺島「そういうことじゃないんだけどね」