【まふまふ】ぐちゃぐちゃココロ、/白椛 ページ9
♡*♡
しっとしたんだ。
♡*♡
きらきら。
私の幼なじみの笑顔を表すオノマトペは、これ一択。笑顔だけじゃない。声も、仕草も、表情も、存在も。全部が、きらきら。
「ね、A」
「んん？」
「ちょっとコレ、聴いて？」
自分でかけていたヘッドフォンを外し、差し出す。少しだけ乱雑な、男らしさの滲む仕草に、心が音を立てる。それに知らないフリをして、数秒前のまふと同じ格好に収まった。
しゃんしゃんと流れ出したイントロから、夏の涼やかさと甘さを感じる。長年の感覚から、なんとなく、AtRの新曲かな？ と当たりを付けた。
「んん。恋の曲？」
「ふふ、ナイショ。楽しみにしてて」
にこにこ、きらきら。
楽しげに笑う幼なじみから目が離せないのは、もうずっと昔から。
♡*♡
そんな会話が、約ひと月前。
本日投稿されたAtRの新曲は、予想通りに恋が始まる曲で。
「よかった。今回も、反応が良い」
「さすが、だね」
安堵の滲んだ輝きに、そう返すのが精一杯で。
そのきらきらの向かう先は、きっと私じゃない。全国の、全世界の、どこか遠い場所にいる、名前も知らない誰か。
ずっと隣にいるのに。私だけの煌めきだったのに。気付けばリスナーみんなに向けられているそれを、独り占めしたい。
そんな、ぐちゃぐちゃな想いは、奥底にしまい込む。だって、彼の輝きに、こんな醜い想いは似合わないから。
溢れないように、そうっと蓋を閉める。でも、光はどんなに小さな隙間からでも、私を照らし出す。
「Aがいてくれるおかげだよ！ いつもありがとう。Aは、僕の自慢の幼なじみだ！」
「……私、こそ。まふが、自慢だよ」
ストレートに投げ込まれた豪速球が、私の顔の筋繊維を引きちぎってしまったんだ。そうじゃなければ、こんなにも頬が緩んじゃうわけがないじゃない。
♡*♡
簡単に舞い上がっちゃうから、
嫉妬なんてできたもんじゃない。
♡*♡
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飴依存症の人*神作掘り出し隊(プロフ) - すげえ…どれも良かったけど菊花さんので泣いちまったよ…。 (2019年9月13日 16時) (
レス) id: 9ac419bf0d (このIDを非表示/違反報告)
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