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昼休憩。
食事のできるスペースで弁当箱をあけると
動いてたせいなのか
少し形が崩れているものがある。
折角の手作りなのに。
( こういうのなんか、ショックやな )
崩れたものを一つ一つ喉に通して
缶コーヒーで喉を潤す。
「 ごちそうさまでした。 」
今頃どこにいるかも分からない
アイツに向けて、美味しかったと
心の中でそう思うと
早速午後の仕事に取りかかった。
***
「 お疲れ様でした〜 」
仕事中ぐちゃぺちゃ喋っていた女事務員にも
面倒くさいからまとめて言葉をいれると
よう分からん奴らが近づいてくる。
「 折原先輩!この後のみにでもどうですか? 」
「 すみません、彼女が家で待ってますから 」
「 えっ…?折原先輩の彼女って… 」
女達のことなんか放っておいても
どうせ違う男の元へ行くだろう。
その証にもう違う同期のところに行っている。
一々大変やなあ。
「 ………あっ弁当箱忘れた 」
あのガヤガヤした部署に戻るのは正直気が引けてしまうが弁当を置いていくのは
衛生的に心配になる。
はあ、と溜息一つで踵を返した。
「 ___折原さんの彼女さんってさ 」
「 どうしました? 」
「 えっ!折原さん?! 」
「 お弁当、忘れてしまって取りに来ました 」
「 そ、そうですか 」
俺の彼女がどうしたのか、と聞く前に
そそくさ行ってしまった。
女同士で嫌味でも言ってたんか?
外見は良くても性格はほんとクソやな。
そういう女の妬みってやつ。
( はよ帰るか )
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