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* ページ14
幸せを色で表すなら、多分灰色なんだと思う。
個人的な感情の中でしか語られないそれは、他人からみれば不幸にも幸福にも捉えられるのだ。彼女はそんな曖昧な不幸の中で、オレと一緒だから幸せだというのだ。
色を付けたくて必死の彼女はいつも灰色で笑顔を振りまいている。
「ハニー」
課題の終わらない彼女の元へ夜食のおにぎりを持っていけば、既に眠気の限界を超えているハニーがシャーペンを持ったまま船を漕いでいた。
「課題終わらなきゃ後期ヤバいんでしょー?」
「………ねむい」
確かに深夜の2時くらいだし眠いのも分かってるけど、そんなとろけた表情だと。……ねぇ?
「おきて」
「無理ぃ」
「頑張って終わらせて」
「無理ぃ。がんばれないぃ」
どうしても?と問い返せば、なるせちゃんが一緒に起きててくれるなら、大丈夫。だとなんとも甘えた声を出すうちのハニー。
「起きててくれる?」
「仕方ないな」
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