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* ページ27
両耳にかかる吐息で目を覚ました。私を挟むように二人が寝ているのを確認する。すやすやと眠っているのをほほえましいと感じつつ、起こさないようにゆっくりと二人から離れる。音を立てないように慎重に歩きながら、喉が渇いていたから、と自分の中で弁解をして冷蔵庫を開けた。
「やっぱり、そうじゃん」
「……すいか」
子供の中にはまれに、スイカやメロンで口がかゆくなる子がいる。それが私だったということだ。お酒じゃないです。センちゃん、だましたな。といっても、一番に悪いのは私だ。やっぱり、二人が私をだましていたのは事実だったし、それとともに私が二人をだましていたのも事実であった。
すいかをもとの場所に戻し、そそくさと二人が寝ている場所へ戻る。幸せそうな寝顔をしている二人に顔を寄せ呟いた。
「私、もうとっくに死んでます」
月はない。夕方の話。
*
日常の何でもないことが、思えば逆に怖いのです
宇宙人は出てこない。隕石は降ってこない。異世界転生が起こるわけではない。
ただ、いつもと同じ 彼らの日常は、私達にとっては非 日常なだけなのです
では、どこから非があるのでしょう
私、吸血鬼かもしれなかった夕方
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