推しの綱海の妹になったんだけどこれなんてご褒美？ (ページ2)

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2話ページ2

夢の中だろうか。とても暗く、目を開けることができない。息もできない。こんな夢見るの初めてだ。

引っ張られるような感覚を伴い、私は夢から覚めた。

と、思っていた。

苦しい。本当に苦しい。

なんとか息をしようと、口を開ける。

「おぎゃあー！！おぎゃあー！！」

私の声から出たのは、泣き声だった。泣き叫ぶと、肺の中の水が口から外へ吐き出される。かなり辛かった。

それを繰り返せば、段々と息ができるようになってきた。それでも目は開けられないまま。仕方なく、耳や感覚を使って、自分が今どういう状況に置かれているのか考える。

体をお湯のようなもので洗われた後、落ち着くとそっと誰かの隣に寝かせられた。

「ほらA、お母さんよ」

「まだわからないよ」

「条介、貴方の妹のAよ。ちゃんと仲良くしてね」

「綱海さん、お疲れ様でした」

「いえ、ありがとうございました」

え、待って。今の会話で大体お母さんとお父さんとお兄ちゃんがいるのがわかった。兄の名前が条介だということも。

それでさ、看護師さんかな？あんた、なんて？

綱海って言った？私のお兄ちゃん、綱海条介？それってさ、それってさ……転生トリップしたって……ことだよね？

この際私が赤ちゃんなことはどうでもいいんじゃ！綱海が兄ちゃん？にーにって呼んでやる。絶対可愛がってもらってやる。

どうやら私にはブラコンになる以外の選択肢が用意されていないらしい。それならこっちだってそれ相応のことはさせてもらうぜ！

A、綱海条介シスコン計画！！

綱海を絶対にシスコンにしてやるぜぇ！！あ、にーにか。

「一歳違いの妹って、喧嘩ばかりになりそうで怖いわ」

「そんな心配することないだろ」

「A、お兄ちゃんと仲良くするのよ？」

当たり前です、お母様。というか、一歳違いってことは、にーには今1歳……？見たい！のに目が開かない！

でも見たいよね。わかる。何かで読んだことがある。生まれてすぐ目が開く赤ちゃんもいると……。気合で開ける！

「！見てあなた、目を開けたわ」

「可愛いなぁ」

お母さんとお父さんの顔が映る。にーにがイケメンなので察してはいたが、やはり顔は良い方だ。しかも良い人そう。こりゃ私も自分の顔に期待しておこう。

さて、肝心のにーには…？

「………」

可愛い……。じっとこちらを見てるのが超キューティクルです！