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保健室に着いてから、また熱が上がったのか

視界がぐらぐらと揺れて、ぼやける。


「38.7度だって。

よくこんなになるまで授業出ようとしたね」


トウマが呆れてしまうのも無理はない。

実際自分だって呆れているのだから。


「ご、ごめん······」


もぞもぞと保健室のベッドに潜ると、トウマがくすっと笑った。

チャイムが鳴ると、保健室を出ていった。


保健の先生は、出張で昼から居なかったらしい。


一人ということを知ってしまうと、熱のせいだか何なのか知らないけど

妙に寂しくなる。



あと二時限で授業は終わるけれど、寝ようにも寝れないこの時間が

早く過ぎてしまえば良いのに、と


何も悪くない時計を軽く睨んだ。

·


·


·


終礼が終わったのか、バタバタと靴の音が保健室にまで響いた。

その大きな音は、風邪を引いている私には煩くにしか聞こえない。


そんな音が過ぎ去った後、ガラッとドアが開く音がした。


「ん、トウマ······?」

「今から帰るけど、起きれる?」


足に力を入れて、立ち上がると、やっぱりふらふらする。

平衡感覚も可笑しくなっているのか、ちゃんと立っている筈なのに

ぐらりと体が傾き、手に冷たい感覚がした。



正直、目を開けたくないと思いながらも、少し開けると

焦ったトウマの顔が見えた。



「___!___······っ」






何で泣きそうな顔をしているんだろう。



熱で使い物にならない頭で考える前に、意識がとんだ。

3→←風邪引き 1



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作者名:Kaede | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月21日 2時

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