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トウマ視点
一時半頃、静かな家中にインターホンが響き渡る。
配達かな、そんなもの頼んだ覚えはないけれど。
Aにしては約束は二時だから早すぎるから違うだろう。
そう甘く考えていたのがいけなかった。
「と、トウマ」
おどおどとドアの前で眉をハの字にして僕を見上げた小さな女の子。
面識なんて一回もない、けど容姿はAそっくりだ。
黒く艶のある髪も、綺麗な顔立ちも。
「A、で合ってる?」
そう言うと、こくこくと一生懸命首を振るA。
とりあえず彼女を家に入れて、事情を聞くと、本を読み終わった頃には小さくなっていた。
本を読んでいる間に紅茶を一杯飲んだらしい。
自分でもビックリするくらい異変は感じなかったと言っていた。
「その紅茶に何か盛られていたんじゃないかな。誰がそこまでしたかは分からないけど」
「あっ、そういえば!」
大きな声を出したかと思うと、紅茶を入れて少し目を離した隙に、棚においていた
小さな小瓶がコップの中に落ちて、慌てて拾うと蓋は転がっていて中身の粉は濡れて使い物に
ならなかったから捨てたと言った。
しかもその小瓶は商品を買ったときにおまけとして貰ったらしい。
「それが原因かな、考えられるとしたら」
「そうだね。どうする、約束は次でも良いけど」
「ううん、この体でも動けるし、約束はちゃんと守るよ」
にっと笑ったAと一緒に約束していた図書室へ行き、本を借りに行く。
翌日、Aは無事に元に戻っていた。
end
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