怪しい薬品にご注意を 1 ページ15
「·······あれ」
私は本を読むことに明け暮れていた。
山積みの本の隣に、赤いカップが置いている。
本に夢中になりすぎたのか、自分で紅茶を入れたことを忘れているのかもしれない。
ちょっと引っ掛かるものの、まだ冷めきっていない生ぬるい紅茶を一口飲んだ。
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パタンと読んでいた本を閉じる。
つい小説の世界に深入りしてしまった、いけない。
読み終えた本を山積みのそれの一番上に置いて、ソファーに寝転んだ。
あれだけ本を読んだのに、まだ時刻は正午を少し過ぎた頃だった。
何時もよりやけにものが大きく見える。服はこんなにダボダボだったか。
違和感を感じて、洗面台に行くと、何時もは見える鏡が見えない。
それどころか、浴室の鏡に映った私は、背が縮んで、髪も短くなっている。
これでは7、8歳の少女だ。
「誰、っていうか、えぇ、ど、どうしよう······」
今日は家に籠ろうかと考えたとき、ふと頭にある約束を思い出した。
確か今日はトウマと2時に合う予定だった。
さすがにこの姿では行けない、けど約束を破ってしまうのは気が引ける。
しばらく悩んだ末、少し早く行って、現状を知らせることにした。
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