××さんと三人のお兄ちゃん ページ39
一日中落ち着く匂いに包まれて眠っていたAが目を覚ます頃には夜になっていた。
Aが閉じていた目を開き、前を見れば今日一日ずっと隣にいた不死川の髪の毛が目の前にあり、
それが彼女の頬に触れる。くすぐったい感触を感じていた。
夜の涼しい風が頬を撫でて通り過ぎていく。上を見れば星が散りばめられた綺麗な夜空が
目一杯に広がり、彼女はその綺麗さに息を飲んだ。
空はこんなにも綺麗だったか。
じっと上を見ていると、不死川はAが起きたことに気付き自分で歩くように言った。
しかし、寝起きのAは嫌だと否定して、彼の首に腕を回し、背中に貼り付いた。
自分の家に着く前まで、甘えたいという気持ちが芽生えていた。
不死川もそれ以上無理強いはしなかった。
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「ただい」
「ウワァァアアアアア!!小さくなってるけどAさんだあぁぁぁああ!!」
玄関に入るや否や、何処に行ってたのぉぉおお、と泣きわめきながらAに抱きつく善逸。
その大きな声につられて奥から炭治郎と伊之助も向かってきた。
「っだぁぁあ、何でテメェらが此処にいんだよ!!」
炭治郎の登場により、さっきまで落ち着いていた感情が一気に爆発した。
未だギスギスした二人の間には、不穏な空気が流れていた。
何故ここまでお互いに嫌っているのか分からないAは、きゅっと善逸の羽織を
摘まんで二人を見るのが精一杯だった。
「どうしてAさんが小さくなってるんですか!
昼になっても帰ってこないし!心配してたらこの有り様ですよ!彼女に何したんですか!」
「何もしてねぇわ何適当な事言ってくれやがるんだこの餓鬼ィ!!
全部鬼のせいだ、血気術にかかって小っさくなっちまったんだよ!
遅くなったのは胡蝶とか御館様の所へ連れ回してたからだ、何か文句あんのかァ!?」
「そうですか!ありがとうございました!お世話になりました!お帰りください!!」
炭治郎がそう言えば、不死川の怒りは頂点へ。
不死川が炭治郎の胸ぐらを掴み、炭治郎はものすごい剣幕で抵抗する。
「良い度胸してんなァ餓鬼!!」
「お、帰、り、く、だ、さ、い!!」
「もう止めろよ炭治郎おぉぉお!!」
小夜時雨家に主に三人の輩の声が鳴り響いた。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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