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「人様の嫁に何しようとしてんだ?」
後ろから天元さんの声が聞こえる。そして彼は私の肩にかけられた女衒の手をはたき落とした。
声は穏やかだけど、顔は笑っていない。
「ちっ」
良い商品だったのにな、と愚痴を溢して女衒はそそくさとその場から逃げた。
ちらりと天元さんの顔を見ると、何か言いたげな顔をしていた。
「だから言っただろ、この道を通るのは止めとけって」
「うっ、すいません······」
俺がいなかったらどうなってたんだか、と小言を言ってくる。
確かに天元さんがいなかったら、抜刀していたかも知れない。
それとも力ずくで押し返され、本当に遊女として働かされかけていたかもしれない。
「天元さん、私の事さっき嫁って言いましたよね」
「おお」
「嫁にしてくれるんですか?」
悪戯心でそう言うと、目を丸くして驚いた顔をする。
いくら人間のしていることをしていたって、私が鬼と言うことに変わりはない。
鬼の嫁を鬼殺隊の柱が持つなんて変な話だ。
「冗談ですよ、今のお嫁さんを大事にしてあげてください」
「何だよ······」
天元さんの顔は、笑っているような落ち込んでいるような、複雑な顔をしていた。
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お前の事、嫁にしたいと思ってんだけどなあ。
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夢主ちゃんの設定ちょっと変えました。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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