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山奥に鬼が逃げたとの報告を受けた。
たどり着くと、確かに鬼がさ迷っていた。血に飢えているように。
まだこちらには気づいていないようだ。日輪刀に手を当て、相手の行動を探る。
茂みから音が聞こえる。鬼が走ってきた。私は刀を抜いて、鬼に向けて構える。
義勇さんは他の鬼を絞めに行ったことだろうし、好き勝手させてもらおうか。
何せ、久しぶりの鬼狩りだから腕がなって仕方がない。
「グアァァァア!!」
呼吸を整え、目を開き、相手の動きを的確に捉える。
感情に振り回されている鬼の動きは読みやすい。攻撃をかわして、鬼に歩み寄る。
「雨の呼吸、壱ノ型。『涙雨』」
刃が鬼の頸に触れたのが感じてとれた。
次の瞬間には鬼の頸は静かに音をたてて、地面に落ちた。驚いた顔をしている辺り
自分が今、斬られたことをまだ把握できていないんだろう。今まで斬ってきた鬼もそうだ。
そっちの方がいいだろう、痛いのは嫌だから。鬼でも、人間でも。
せめてもの優しさだ。
鬼相手に情けをかける必要はないと、大抵の人間は言うんだろうけど。
そうして鬼を斬っている内に、雨が降ってきた。
「終わったか」
「はい、もう此処は大丈夫でしょう」
「雨······」
「良いんじゃないですか?返り血も流れ落ちますよ」
帰りましょう、と一声かけてから来た道を戻っていく。
雨のなかでも、絶えず月は煌々と輝いていた。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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