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四話 ページ5
家に帰ると、リビングに電気がついていなかった。
玄関には見慣れないひとの制靴と真菜の制靴。
真菜の部屋へいくと、彼女の声と低い声が聞こえた。
「真菜、誰かいるの」
そう言って、ドアを開けると、真菜と男の子がいた。
真菜がその男の子に抱きついていた。
散らかっていた筈の部屋は綺麗に片付けられて、ピンクがベースの可愛らしい部屋になっていた。
「もう、お姉ちゃんったら！」
「誰？」
「え？真菜の彼氏」
「そう、お邪魔しました······」
人目も気にせずイチャイチャし始める空気に耐えられず、ドアを閉めて降りた。
外の空気に触れたくなって、玄関から飛び出した。
ポケットにはスマホと友達から貰った小さい飴。
赤い空も青が差し掛かって、境界線にはオレンジと水色が混ざりあっていた。
綺麗だな、と思いながら人通りの少ない道を歩けば、さっきの神社に来ていた。
石段の隣に一定の間隔で建てられた朱色の灯篭全てに光が灯っていた。
さっきまで灯りがついていなかったのに······。
神主が付けたのかと思ったけど、ここに神主も巫女さんもいない。
「時間が来たらライトアップする仕組み」と勝手に信じこみ、明るい石段を登る。
さっき参拝した社殿の前には、置いていたお菓子が無くなっていた。
「あれ、何で無いんだ······?」
動物が食べたのかな、と一人でぶつぶつ言っていると、聞き慣れない声が聞こえた。
「こんな日暮れに何のようだ、娘」
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