発見29 ページ34
何時もなら寝ている11時になっても、今日は寝ることができなかった。
というより、寝ることを恐れていた。
寝たら、あの夢の続きを見てしまいそうで。
『博士』の手の感触、鉄の臭い、赤黒い液体が散らばった部屋。
思い出したくもないことが、さっきの夢で全て思い出す。
今どうしようもなく、寂しさを感じる。
二人とも、寝てしまっただろう。
部屋には時計の針がカチカチと音を立てて響いているだけ。
私は身を縮めて、うずくまっているだけだ。早く朝が来れば良いのに。
そう考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。
急いでドアを開けると、部屋着姿のハルヤ様が立っていた。
「な、どうしたんですか?」
「眠れないんだろ?」
洞潔から聞いた、といってずかずかと部屋に入り、ベッドに腰掛けた。
たった一人の存在が、今の私にはとても安心感を与えてくれる。
「無理に話せとは言わない。けど、話した方が楽になることもあるだろう?」
「······こんな星空が綺麗な夜にする話ではないですよ?」
そう言いながらも、ポツポツと話していく。
ハルヤ様に拾われる前の出来事を、彼はふざけることなく時々相槌を打ちながら聞いてくれた。
話しているうちに、心が軽くなった気がして、眠気が襲ってきた。
·
·
·
それから私はどうしたのか分からないまま、目を開けたときにはもう空には太陽が
昇っていた。
背中から暖かい温度が伝わってくる。
そして、手に異変を感じた。誰かに握られているような、そんな感じだ。
「うわっ······っ!!」
寝返ると、私の手を握ったまま隣ですやすやと眠っているハルヤ様がいた。
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Kaede(プロフ) - 地炎 美羅さん» ありがとうございます!頑張ります(*´∀`*) (2018年11月13日 21時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
地炎 美羅(プロフ) - とても面白いです! (2018年11月12日 19時) (レス) id: 58dbd0a658 (このIDを非表示/違反報告)
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