f l a m e 2【煉獄杏寿郎】

看病 ページ12

遠くで、鳥の声が聞こえる。


おでこが少しひんやりする。



『……煉…獄さん…』



息が苦しくて、声が上手く出せないけれど。


大好きな人の名前を声に出す。



「大丈夫だ、俺はここにいる」



遠くから、煉獄さんの声が聞こえる。


夢でも見てるのだろうか。


意識がはっきりしないせいで、よく分からない。


けど、なんだか安心する。


息苦しかった呼吸も、少し落ち着いた。


帰ったら、煉獄さんに会える。


だから早く帰ろう。


でも何だか眠たいなぁ。


頭はボーッとするし、上手く喋れないし。


そう言えば、あの後どうなったんだっけ。


頭、回らないなぁ。


ふわふわする。


雲の上にいるみたいに。


それなのに、なんだか口の中に違和感を感じる。


何だか気持ち悪くて、吐き出したい。


なのにまた、口の中に変なものが入ってくる。



『う……いらな…い』



何度も入ってくるそれを、何度も吐き出す。


今は何も口に入れたくない。



「飲んでくれないと困る！」



また、煉獄さんの声。


なんて言ってるのかな、よく聞き取れないや。

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