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『………』
煉獄さんとは全く違う雰囲気に、緊張する。
「………」
ごく、ごくと、ゆっくりお酒を飲む不死川さんを控えめに見る。
初めて見た時も驚いたけど、まじまじと見るとなんか。
細かい傷も沢山あるんだな……
「傷の調子はどうだァ」
突然話しかけられた事に、思わず背筋が伸びる。
『はっ、はい!』
「…………」
『治りました!お陰様で!』
私がそう答えると、そうかと答えてお酒を一口。
『助けてくれてありがとうございました……蝶屋敷まで運んでくれたことも』
「あァ」
そう言えば、煉獄さんにも同じように助けられて。運ばれたっけ。
本当にいつも、誰かに助けられてばかりだ。
「……辛気臭ぇ顔してんじゃねェ、暇なら1杯付き合え」
『わ、私まだじゅうは…』
「うるせェ」
『はい!』
ドスの効いた声に思わず返事をしてしまう。
とくとくとつがれたお酒を私に渡す。
ありがとうございますと小さくお礼を言って、どうにでもなれと勢いよくお酒を流し込む。
初めて口にしたお酒は、何だか凄く変な味がして。
こんなに美味しくないものを、大人は飲んでいるのかと思った。
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作者名:まの | 作成日時:2021年2月13日 13時