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「お、おいA……。俺もついてく」
「俺も行かせてください」
従兄達が声をかけてきた。
でも、Aのだす答えはNOだ。
「やだ……」
「え?」
「どういう事?」
断られるとは思ってなかったようで、驚きの声が上がる。
「今のAは…お兄ちゃんに、みんなに相応しくない。
ダメ、こんな姿、絶対にダメ。
弱くて、恥ずかしくて……カワイくない」
私はカワイイ存在であると決めたから。
絶対にこんな姿、見せたくなかった。
カワイイは守られてるだけじゃダメだし、色んなことに気をつけなきゃいけない。
完璧じゃなきゃダメなの。
私の知ってる、私の極めたい、私の信じるカワイイと
今の姿はかけ離れてる。
だから、こんな姿、見せたくなかった。
「ごめんね、お兄ちゃん。
ダメなままのAじゃ、絶対にイヤだから。
一人にさせて」
真剣に従兄の目を見て言う。
「……おう!ただ、何でもいいから頼れ」
「辛そうにされるとこっちも辛いから」
彼らはそうやって私を応援してくれる。
だからこそ嫌いになれないし、むしろ好きになる。
「うん!ありがとう!」
ー
「あの、皆さん!」
「お、あかーしどうしたんだ?」
「何かあったのか、赤葦くん。それに夜久くんもいるじゃないか」
木兎、澤村と次々に返事が聞こえる。
「俺らから一つ、言いたいことがある。マネージャーも聞いててくれ」
夜久の真剣な態度に、選手たちも真剣になる。
「もし、今Aを心配しているなら、大丈夫です。
ただ、逃げたんだ、とか責めたりはしないであげてください」
「アイツは、今の自分はみんなに相応しくないって思ってるみたいだ。
Aは自ら努力して、俺らについて行こうとしてる。
だから、そんなアイツを責めるような、傷つくような言葉をかけるのは……やめてくれ。頼む」
赤葦と夜久は頭を下げた。
いきなりの行動に驚いたが、誰も反抗はしなかった。
「当たり前や!自称サバサバ女子みたいなんやってるあのクソマネより、Aちゃんみたいな、努力して、俺らに必死に追いつこうとしてる子を責めるわけないわ!
そんな奴いたら俺が殴るしな!」
「宮……ありがとう」
協力的な侑に赤葦は感謝を述べた。
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あまね(プロフ) - すき (8月6日 2時) (レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ウーロン茶 - この作品めっちゃ好きです!!!!!!更新楽しみにしてます!! (2023年2月22日 15時) (レス) id: a38d2d112e (このIDを非表示/違反報告)
人。 - 夢主ちゃんの性格とか話し方個人的にすき。更新頑張って下さい‼ᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2022年9月25日 20時) (レス) @page46 id: 8a31f1ca56 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - とっても面白くて、続きがたのしみです。 これからも応援します!! (2022年7月24日 21時) (レス) id: 83697b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - こんにちはー 夏休みに私の学校は入って最近夢小説見れてなかったんですけど、更新されてて早速読みました。 今回も面白くてやっぱり作者さんはすごいなーって思います。 これからもずっと応援📢してます (2022年7月16日 9時) (レス) id: 9dab0a0f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピロリロリン | 作成日時:2022年2月16日 23時