ダリアの花束を贈る。【KZ】

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◇.



「じゃあごぼう係は佐田と俺、アーヤはこんにゃく等をカットする係、七鬼は豚肉炒めたりする係ね。」


たった三分ほどで役割分担を終えた私たち。他の班はじゃんけんしたりしていて、決まりきった班はどうも少ないみたい。

この時点で私たちは少しリードしていた。

…んだけど。



「あぁもう、違うってんだろ!!ごぼうは着るというより細く咲くようにしてやるの、包丁に変に力を入れない!!」


始まってすぐ見られたのはマリンに怒られてタジタジになる翼の姿。


…そう、意外はことに翼は料理が苦手らしく、ごぼうに手間取っていたんだ。

あのオールマイティな翼に苦手なものがあるだなんて…。


今まで苦手なものがあるところを見たことが無いために私は少し、いや、凄く驚いてしまったの。




対してマリンは料理が大の得意らしく、あっという間に自分の担当のごぼうを切って行ったんだ。



ううん、人は見かけによらないってこういうことなのかも。


そして私も、実は料理はニガテ。

こんにゃくを手で割くとか混ぜるとかはいけるんだけど、火を使ったり包丁を使い始めるとてんでダメ。
つまり私は、ほとんど料理が出来ない。


今まで勉強に追われまくっていて料理する余裕なんてなかったもの。

そして案の定、忍は料理なんてしない。
さっきだってジャガイモの皮をむかずにそのまま鍋にぶち込もうとしてたもの、こちらはほぼ期待ゼロ。



つまり、私たちの班には料理が出来る人はたった一人、その他は壊滅的。


…これが大きな誤算となってしまったんだ。



「…しゃーない、皆で協力してやろう。」


大きなため息をつくマリン。
その瞳はどこか遠くをぼんやりと見つめている。


…きっと既に先が思いやられてるんだ。
あぁ、ごめんね、マリン……。


◇.

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