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◇.
勿論細身で色が白い彩にその服はよく色が映えて映えてとても似合っている。
ただ若武の家に集まる際に着てくるとかいうのは大丈夫だ、むしろ大歓迎である。
しかし、出かける際となれば別だった。
今、この場よりも沢山の人で溢れかえる電車や街中にこの格好で行かせるとなるとなんとも心配なのだ。
彩に、この格好で人ごみの中に行ってほしくない。
けれども彩の機嫌を直すには彩に賛同しなければならない。
彩の機嫌を取るか、別の服装を勧めるのか。
そちらを取るか困るに困ったその時。
『見ろよあの子、肩出し。足も細っ!!』
『オフショルっていいよな。
鎖骨のラインが微妙に見えてなんか、エ ロい。』
『ああいう清楚系だから二割増しってのもあるよなぁ…』
たまたま通りかかったであろう秀明の中三生の生徒が、彩を見て話をしながら去って行ったのだ。
瞬間。七鬼以外の男子が大きな音をならしてその場に立ち上がった。
ある者は顔を真っ赤にさせて先程の男子を追いかけに行こうとしたり、それを必死に抑え宥めたり。
「アーヤ、これを着て。」
そういったのは勿論黒木である。
自分の来ている上着を脱ぎ、彩の肩にかける彼の表情は笑顔である。が、しかしその瞳は全く笑っておらず、瞳のずっと奥には火花を散らす何かが見え隠れしていた。
彩が突然騒ぎ出した彼らを見て頭にハテナを浮かべる間に、美門はすみやかに彩を立たせ、自分が先程まで座っていた場所、つまり窓側に促した。
彩が座っていた場所はカフェテリアの入り口側、一番このテーブルの中で人目に付きやすい場所である。
対して、美門が座っていた場所は最も人目の付きにくい一番奥。
その席を見るには顔を出して少し覗き込まなければ周りからは見えないのだ。
窓の向こうを通る人から見えてしまうのは日差し避けとして設置されているカーテンを引けば何の問題もない。
「ほら、そこの席だと冷房の風が直で当たるでしょ。
こっちの席の方がいい気温だからこっちに来なよ。」
勿論どちらの席も風圧は変わらない。訳の分からない言い分を聞かされる彩。
しかし、その間にも小塚は鞄から白衣を出して彩の膝にかけ、上杉は事務室で貰って来たひざ掛けをニ枚使って彩の胸元を覆っている。
「暑い…。」
ぎゃいぎゃいと騒ぐ彼らにありとあらゆるもので包まれた彩。
げんなりとした表情で呟いた"暑い"という言葉は彼らの騒ぎ声によって掻き消されていった＿＿
-fin-
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清霞(プロフ) - はるはるさん» はるちゃーん（ ; ; ）有難う、楽しんでもらえたみたいで良かったです！コメント有難う＊ (2019年1月29日 21時) (
レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - さやかちゃん、ダリアの花束を贈る。完結お疲れ様です。どのお話も好みで、とても面白かったよ。更新される度にワクワクしながら読んでいました。本当にお疲れ様-＊ (2019年1月27日 20時) (レス) id: 91ccc51c14 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - Wings（心渚）さん» みなちゃんありがとう、更新はめちゃめちゃ遅いけどのんびり待ってくれてると嬉しいです＊ (2018年12月25日 19時) (レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
Wings（心渚）(プロフ) - 清霞さん» やっぱこのお話好きだわ笑頑張ってね、応援してます。 (2018年12月25日 18時) (レス) id: ce1217488b (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - 沙也加さん» わー、ありがとうございます（ ; ; ）やっぱりkzのわちゃわちゃはいいですよね…！もっとわちゃわちゃシリーズを書けるように頑張ります、閲覧にコメント有難うございました＊ (2018年12月8日 14時) (レス) id: 61be4c1b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清霞 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/somerina021/
作成日時：2018年10月8日 10時
