貴方「九話よ、貴女可愛いわね!」 ページ10
太宰side
織田作は反対に目を逸らした
はぁ、しょうがないなぁ
太宰「なら一つ、気付いたことを教えるよ」
私は硬い表情で云う
太宰「昨日____酒場で呑んでいた時、安吾は仕事で取引した帰りだと云っていたろう?」
織田「そうだな」
太宰「あれは多分嘘だよ、安吾の鞄見たろう。上から煙草、携帯雨傘、戦利品の骨董時計の包みが
詰まっていた。携帯雨傘は使用され濡れ、拭き布が巻かれていた。そして出張地の東京は雨だった」
織田「なんの不都合がある?」
まぁ、確かになにも知らない人はそう思うだろう
織田「雨が降っていて、傘が濡れていた。ごく自然の帰結だと思えるが」
太宰「安吾が真実を話していたなら、あの傘は使えた筈がないのだよ」
目を細めて云った
太宰「安吾は自前の車で取引現場に向かった筈だけど、ではあの傘は何時使われたのだろう?
取引前じゃあない。傘は包みの上に置かれてたからね。そして取引後でもない」
織田「何故だ?」
太宰「あの傘の濡れ方は二、三分使われた感じじゃあない。たっぷり三十分は雨に打たれてた筈だよ
それだけ雨の中にいたとしては、安吾の靴やズボンが乾いていた。取引が八時で、我々が会ったのが十一時。取引の後三時間使ったなら、乾くには時間が足りない」
織田「着替えを持っていたのかも知れない」
太宰「鞄の中に靴やズボンの着替えはなかったし、入るだけの空間(スペース)がなかった」
マリア「それなら、一度部屋に戻って着替えを置いてきたとしても
大事な取引品を置いてくるわよね」
織田「確かに安吾は嘘をついていたかもしれない。だが、安吾はマフィアの情報を扱う情報員だ。
誰にも明かせぬ密会ぐらいひとつやふたつ有るだろう。責める訳には」
マリア「確かにそうかもしれないけど、作之助君達の仲なら『云えない』と一言いえば
治君も作之助君も詮索はしないでしょう?」
マリアさんの云う通りだった
マリア「なのに安吾君は取引があったて嘘をついたのでしょう、アリバイ用の骨董時計を持ち出してね。」
太宰「マリアさんの云う通りだとしたら、そうまでして密会を隠したかった理由は何だ?」
一息ついて云う
太宰「今の状況を見越していたからじゃあないのか?織田作気をつけろ。今事態は、君のコップのふちからこぼれ落ちるぎりぎりの所にある。何か一つでも新しい事態が投げ込まれば、水はコップからぶちまけられ、君一人では手に負えなくなってしまう。ここの始末はやっておくよ安吾を頼む」
駄作者「タイトルって難しいですね〜あと、少し展開早めます」→←ジイド「八話だ、貴君は幽霊の魂を解き放つ者か?」
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作者名:霧香 | 作成日時:2017年2月4日 23時