広津「七話だそうだ、君筋が良いな」 ページ8
太宰side
太宰「君は全く困った男だなぁ織田作。君がその気になれば、こいつらなんかひと呼吸のあいだに
殺せるだろうに」
軽い足取りで織田作のもとに行く
私は織田君に手を差し伸べる
織田作は素直に拙まって立ち上がった
織田「殺したのか?」
太宰「うん。生け捕りにして情報を引き出そうとしても無駄だからね。何しろ奥歯に仕込んだ
毒薬の味が大好きでたまらない連中なんだ」
マリアさんが遅れてきた
「判ってるよ。そういう意味で云ったんじゃ無いんだろう?けどね織田作、相手は戦闘の専門家だ。
いくら君でも、殺さないなんて無理だよ」
織田「その通りだ」
織田作は頷く
マリア「機嫌が悪いわね。治君も悪気があったわけじゃないのよ、作之助君の主義を曲げて悪いとおもってるわ私も、治君も」
織田「いや、本当に助かった。お前たちが助けに来なければ死んでいた」
太宰「織田作之助。何があろうと絶対に人を殺さない信条を持つ奇妙なマフィア」
私はやれやれ、という風に首を横に振った
マリア「作之助君大丈夫?安吾君の部屋で狙撃されたって」
マリアさんがそう云うと織田作は手短に宿泊亭(ホテル)での出来事を話した
私とマリアさんは黙って聞いていた
太宰「成る程ね。多分その狙撃銃は、うちの武器庫から盗んだものだろう」
マリア「その子の腰を見てみるといいわ。旧式の拳銃を提げているわ」
織田作と私は倒れてる襲撃者の腰を見る
マリア「これはね随分古い欧州の拳銃で、連射生と精密がお粗末だから、この狭い路地で撃ち合う
には不向きね」
マリアさんは襲撃者から拳銃を取る
マリア「おそらくは、この拳銃は彼等にとってエンブレムのようなものだと思うわ」
織田「この男達は何者だ?」
太宰「ミミック」
織田「ミミック?」
太宰「まだ善く判ってないけど、どうやら欧州の犯罪組織らしい。判っているのはそいつらが何故か日本に来た事と、ポートマフィアと衝突を起こしている事だ」
ポートマフィアと対立する犯罪組織は珍しいものではない
横浜近辺にもマフィアと縄張り争う犯罪組織はある。政府の目が届かない横浜租界には無数の無法者たちが棲みつき、互いの領地を喰らいあっている。租税回避区には世界中から洗浄待ちの闇金が流入して、企業犯罪と傭兵ビジネスを潤してる。海外から犯罪組織が濡れた手に粟を狙って来たとしても
不思議でない。だが観測手つきの職業狙撃手が居るような犯罪組織が、世界にどれほどある?
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ジイド「八話だ、貴君は幽霊の魂を解き放つ者か?」→←エリス「六話よ!貴方面白そうね、私の遊び相手に任命するわ!」
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作者名:霧香 | 作成日時:2017年2月4日 23時