安吾「三話ですよ、貴方少し手伝ってくれませんか」 ページ4
森side
すると先生がソファーから立ち上がりこっちに近づきながら云う
マリア「作之助君の質問はもっともよ」
先生は微笑む
マリア「一般的に作之助の君の階級であれば、抗争の最前線で弾除けになるか、爆弾抱えて軍警の
屯所に駆け込む位の仕事が相場よ。でも作之助君の評判はここまで届いてるわ、だから今回の
仕事を作之助君に頼みたいのでしょう?」
はは、先生には多分本当の理由ばれているんだろうな
森「はいそうですよ、行方不明になったのは情報員の坂口安吾君だ」
織田君はピクリと指先を曲げた
マリア「流石に冷静ね、これなら捜索係にしてもいいと思うわよ」
森「そうですね、、、佳いだろう、説明を続けるよ。安吾君が消息を絶ったのは昨日の夜
自宅にも戻ってないようだ。自ら姿を消したか、或いは何者かに拐かされたのかは、
未だ判ってない」
森「知っての通り、安吾君はマフィアの情報員だ」
私は物憂げそうに溜息をついた
マリア「彼、、安吾君の頭の中にはね、マフィアに関する極上の秘密がぎっしり詰まってるわ
マフフィアの裏帳簿の管理方法、マフィアに上納している企業と役人の一覧、密輸入品の
定期取引相手の連絡先。他の組織に売れば一財産だし、組織のアキレス健を残らずぶつぶつに切って
火をつけることも出来るわ、でも私はそれがなくとも友達だから助けたいわ」
森「私も安吾君は優秀な私の部下だかね、君はこの手の厄介事を専門にするそうだね。
撃ったり殴ったり脅したりばかりが得手なマフィアの中で、君のような人間は大変貴重だ。
期待してるよ」
私は机の引き出しから銀箔入りの越前和紙を取り出しそして、羽根ペンで流れるように書き込んだ
『織田作之助
右のもの 秦然自若なる所作にて紛々たる万事、破竹の如くせしむる也
容喙なく即ち扶くる可
鴎外 』
森「これを見せれば、組織内では何かと便宜が図れるだろう。持っていくといい」
私は織田君に銀の託宣を渡した
マリア「それがあれば幹部でも顎で使えるわよ」
森「そう云えば、君は幹部の太宰君と個人的な友人なのだったね。立場を超えた友情と云う訳だ
彼は優秀な男だから困ったら頼るといい」
織田「その心算はありません」
森「そうかね?歴代最少年幹部の肩書きは伊逹や酔狂では手に入らない。組織の同僚からは
異端児扱いだが、私は太宰君の実力は飛び抜けてると思う。あと四、五年もすれば、
私を殺して首領の椅子に座ってるだろうね」
森「四話だよ、あ、君エリスちゃんの遊び相手になってくれ」→←織田「二話だ、カレーでも食べに行こうお前もくるか?」
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硬豆腐
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作者名:霧香 | 作成日時:2017年2月4日 23時