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うらたside
｢おはよう｣
集合時間の10時を少し過ぎ、1番最後に来た坂田に手を挙げてやれば駆け足気味にこちらへ向かってくる。
｢へー！Aちゃん可愛いやん！｣
｢ありがとうございます、頑張ったので嬉しいです｣
恐らく彼女の服装に目を止めたのであろう坂田が感嘆気味にそう笑う。
今日の彼女は確かに可愛い。
普段、学校帰りに制服のままスタジオに乗り込んでくる彼女の私服姿はなかなかお目にかかることはできず、今日が初だと言っても過言ではないほどなのだ。
いつもは後ろで結われている髪がおり、少しウェーブがかかっているのだから殊更雰囲気が違うように感じるのであろう。
｢可愛いな。似合ってる｣
坂田に褒められ気恥しそうに少し俯く彼女に声をかければ、坂田への対応の10...いや100倍ほど素っ気ない｢ありがとうございます｣の言葉が。
以前なら、そのあまりの塩対応さに舌を巻いていたかもしれない。けれど、少しずつ俺も彼女のことをわかってきているようで、ただ彼女の言葉に感情が追いついていないだけだとわかるようになった。
｢その服選んだのセンラなんですよ〜｣
志麻くんと並んで歩いていたセンラがひょこりと俺と坂田の間に顔を出す。
｢へぇ、センスええやん｣
｢せやろー？｣
志麻くんが褒めればふふん、とセンラは鼻を鳴らす。
一見ただの雑談にも思えるやり取りに俺は｢はぁ。｣と溜息が零れてしまう。
センラのその発言は完璧にマウントを取りに来ているというか、俺への宣戦布告のようなものなのだろだ。
確かにAちゃんの推しは俺である。
しかし、恋愛対象ではないだろうし、また俺自身も彼女のことは妹のように考えている節がある。
正直敵視されている意味がわからないのだが。
だがしかし、こんなことで気を悪くしている時間が勿体無いというもの。
遊園地だなんて久しぶりに来たのだ。目一杯楽しむべきであろう。
｢最初何から乗ろうか｣
｢ジェットコースター以外で...｣
｢わかった｣
｢コーヒーカップに乗りませんか｣
こちらの顔色を伺うようにそう尋ねられる。
もっと自然体でいいのに。
｢いいよ、乗ろうか｣
嫌われないかとオドオドなんてしなくてもそう簡単に嫌いになるはずがないのに。
しかし彼女の俺に対してだけ冷たい態度に実はこっそりと意識されているのだと優越感を抱いているのは秘密だ。
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夢 - 初めまして、とても良い作品ですね。更新停止となっていますが、投稿されるまで待ちたいと思います。 (2020年1月16日 18時) (
レス) id: 393bcdab68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ | 作成日時：2019年4月5日 21時
