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夜が明け、土曜日の朝になる。
パパが運転する車の中で、私はママにずっと小言を聞かされていた。
「毎日連絡しなさい」
「勉強はさぼらないこと」
「食事は毎日3回、必ず取りなさい」
「あ、それと夜食は控えること」
一緒に乗っていたお兄ちゃんと奈子は二人、うんざりと顔をしかめている。
やっと空港に着き、真っ先に車を出たお兄ちゃんは独り言を言っていた。
「はぁ、マジでうるさい。死ぬかと思った」
この発言に奈子が反応する。
「お兄ちゃん、死んじゃうの?」
「嫌だよ。お姉ちゃんとお兄ちゃんがいなくなったら奈子、寂しい」
うるうるとした瞳を私に向けてきた奈子。
え、お兄ちゃんは死なないけど。
私が絶句していると奈子の大きな瞳から雫が零れてきた。
「彩!奈子を泣かせないの」
ママが怖い顔で奈子を宥める。
その顔を見て一層泣き声が大きくなった。
「おふくろも泣かせてるじゃん」
呆れたように言うお兄ちゃん。
いや、元はと言えばあなたの発言が原因だと思うんだけど。
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あやね - 続きか楽しみ!頑張ってください!!!! (2021年6月29日 17時) (レス) id: a6cd23a049 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 頑張ってください!!!!!!!!!!!!! (2020年9月22日 14時) (レス) id: 1879a9c3fe (このIDを非表示/違反報告)
雀 - 次の更新が楽しみ。頑張ってください (2018年8月14日 17時) (レス) id: 4ec73e4055 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO - ファイトー (2018年2月18日 15時) (レス) id: 86b0647779 (このIDを非表示/違反報告)
ローラ - 続編、やってほしいです! (2018年2月10日 7時) (レス) id: 045ee1893e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マス | 作成日時:2017年10月15日 9時