あなたは浮気性 【三途春千夜】

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恐怖で霞む声で、何度も拒絶した。




やめてと叫んだし、触らないでと泣いたけど、私の声が届いていないのか、それとも、それすら興奮材料に変わるのか。







髪を引っ張られたまま、小さな公園に連れていかれる。









私の顔は多分、涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。




私になにかされる分には、嫌だけど、でも、まだいい。


お腹の中にこの子がいなければ、もしかしたら、行為1つでこの時間が終わるのなら受け入れようと思えたかもしれない。






でも、だめ。




彼の女じゃなくても、この子の母親だから。







今行為をしたら、どんなことが起こる？



もしこの子を手放すことになったら、私、どうなる？






考えれば考えるほど、ゾッとする想像しか出来なくなる。









必死に体を動かした時、ぱっと私の髪から離れた手。




ここぞとばかりに足を動かして、逃げよう、逃げようと走ったけれど、私の体は簡単に再度捕まってしまう。










｢離して･･･っ！｣





｢大人しくしろって。な？痛いことしないから、ほら｣








多目的トイレ、ドアにしがみつこうとしたけど無駄で、パキッと爪が割れた。









あぁだめだ。



このまま、このままなんだ。








気持ち悪い。





どうしよう、この子に何かあったら。








どうして、こんなに、辛いことばっかり。










春千夜さん、春千夜さん。



求めるのは、あなたばっかり。











前戯も何も無いまま腰を進めようとする相手に抵抗も諦めて目を瞑った時、大きな衝撃音と、掴まれていた手が軽くなった感覚。






驚いて目を開けた時、見えた、紫色の髪の毛。













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