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カタカナ回避は漢字が最適 ページ33

事務所に戻った俺たちは、すぐそこで買ってきたたこ焼きを口の中に放り込む。
とても熱いが、それは出来たてである証拠。
外側はかりっとしつつ中はとろーり。
それでいて程よく加熱されたタコのぶにゅっとした食感が堪らない。
調味料たちも丁度いい分量でかかっていてこれがまたいい。
要約すると、出来たてのたこ焼き美味しい。

道中寄った行きつけのスーパーで玉菜も買えたし、満足満足。
たこ焼きを食べている間に少し冷めてしまった緑茶を啜っていると
暇なのか霊幻が話しかけてきた。

「お前ってあんまりカタカナの言葉使わないよな」
「? うん、だって苦手だし」
「でもミニカーは分かるよな」
「昔いっぱい集めてたからな。
 集めてなかったら多分、超小型車両とか言ってたね」

「慣れてる言葉はいけるってことか」
「そゆこと」

ずず、と茶を啜りながら答えると
納得したのか霊幻は再びたこ焼きを食べ、熱さで悶絶していた。
……少しは片仮名使えるようになった方がいいのかな。
せめて大型魔法瓶の名前ぐらいは憶えておかないとな。

大型魔法瓶の近くに向かい、茶を飲みほす霊幻に話しかける。

「なあ霊幻」
「ん?」
「これなんて言うんだ?」
「ブフッ」

俺がそれを手で叩きながら尋ねると、口から茶を盛大にぶちまける霊幻。
ああ、もったいない……。
口元を拭いながら霊幻は唖然とした様子で俺に聞き返した。

「え、お前……知らないの!?」
「知らん、家にこんなもん無いからな」

まじかよと口元を手で覆う霊幻。おいこら笑うんじゃない。
こちとら真剣に訊いてるんだぞ、多少の無知くらい許しなさい。


この後、大型魔法瓶の正体が「電気ぽっと」ということが分かった。
これからよろしくな、電気ぽっと!
そう呟いたら霊幻がまた笑い出したような気がしたが
気のせいということにしておこう。

雷耐性ゼロ→←霊界の免罪符



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雨散々(プロフ) - マスヲさん» コメントありがとうございます。私の作品で笑っていただけて何よりです。これからも笑いをとれるように頑張ります(笑) (2017年2月4日 10時) (レス) id: 2f2c9aedea (このIDを非表示/違反報告)
マスヲ(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃ面白かったです!!久々に笑いました(^^)更新頑張ってください! (2017年2月3日 22時) (レス) id: f55d281746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨散々 | 作成日時:2017年1月20日 19時

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