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「そこまで言うんならさ、俺と逃げてよ。逃げて逃げて逃げて、それであいつらから届かない場所へ行こう。なんなら逃がしてくれるってだけでもいいよ。…___ほら、無理だろう?出来ないことは最初から言うべきじゃないよ。これでお別れだ」
【その他備考】
彼の実家は手芸屋である。
両親も優しく、ごく一般的な家庭である。いや、正確的には家庭だった。
とある日を境におかしくなってしまったのだ。両親は仕事を休まなくなった。自分には勉強を強要し、家業をつげと口うるさく言うようになった。口を開けば「家業をつげ」「あの御方のために」狂ったようにそのふたつの言葉を連呼する両親にシェーレは怖くなった。それと同時にめんどくさいと思うようになった。理由は間違いなく両親の言う「あの御方」のせいだが、理由がどうであれ今の両親を好きであることは難しい。
将来は、両親から逃げようと考えている。
両親から逃げるため、彼はできる限りの知識を付けようとしている。そう、彼の夢は「両親から逃げること」。よって、彼にとって両親の今現在の話は居場所以外好まない話題である。馬鹿にされようと相手には関係ない話なのでなんで突っかかってくるのか謎だと考える。もちろん少しは腹が立つ。
耳のピアスの形にも意味があり、親から逃げるために、縁を切るためにハサミの形になっている。
彼の知識の幅は学院に入学してからどんどん広くなっていった。歳を重ねるたびに深くもなった。ただ、スピードがおかしいのだ。すぐ吸収してしまう。出来ない、分からないものも、努力し次の日には出来るようになってくる。そういった勤勉さは寮にあっているし、好ましいのだろうが、生き急いでいるように見える。
年中長袖の服を着ており、寒さを嫌う。流石に夏は寒くないだろう。そう言っても、多少の温度の変化で体を壊すこともあると話を聞かない。たまに、顔を真っ赤にし、いかにも暑いですと言っているような顔をしているが、一向に休もうとも脱ごうともしないので、倒れそうになって助けられることもしばしば。なお、生まれから湿気には強い。
フォークやスプーンなどを使わない、手掴みで気軽に食べられるものを好む。フルーツはもちろんのこと、サンドウィッチなども好き。ただ、勉強中は食べることを忘れてしまうこともあるので、同室のものに心配、又は介護まがいのことをされることも多い模様。普段はしっかりとしている。
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作者名:あんころもち。 | 作成日時:2020年7月19日 6時