67.寝息 ページ17
･阿伏兎･
もう一度お前が欲しい、その気持ちはすごく貪欲で自分勝手だ。
｢寝ていいからなぁ｣
少しづつ重くなるAの体とぼやぼやとしている様子。
あれだけ泣いたんだから、眠くなったって仕方ない。
それなのに必死に起きていようとするから
俺はAにそう言った。
｢私が寝たら、阿伏兎、離れちゃうでしょ。
私が、泣いて、必死になってないと、阿伏兎、どっか行っちゃうでしょ｣
まだ掠れている声。
漏れ出す可愛い不安。
自分のせいなのに、にやけてしまう自分がいる。
良くないことはわかっていてもAが可愛いから悪い。
こんなに可愛かったか？おめぇさん。
｢どこにも行きゃしねぇよ。
ん？ほんとだぁほんと。ほれ、ここで2人で寝るか？｣
疑うように服を握りしめてくる。
安心させるように抱きしめて座っていた体制を崩し
Aを腕の中で抱きしめるように寝転がった。
新しい布団を優しく被せて
未だに顔を上げてくれないAの頭を撫でた。
一緒に寝てた頃は、これが普通だったのになぁ。
実際、ゆうにこれほどのことをしていたかと聞かれればしていないし
ゆうが寝て、自分が起きている時はベッドから離れて寝ていたこともあった。
寝落ちちまった時は、一緒に寝る形にはなってたが
大体は目が覚めてベッドから離れてた。
が、Aが欲しいのはこんな言い訳じゃあない。
それを言ってしまえばAは多少なりとも俺を許さなくては行けない立場になる。
言ったところで、それはAが安心できる言葉じゃないことくらい俺だってわかる。
｢ほんとに離れない？
ゆうちゃんのところ、行かない？
起きても、阿伏兎は隣にいてくれる？｣
｢いるいる。逃げられねぇように抱きしめとけ。
俺からも離れるなよ？｣
俺の言葉に、Aが安心したのがわかる。
こんな言葉だけでも、俺はおめェを安心させられたのか。
いつもは2つの団子にしてるAの髪が解かれ
サラサラとした長髪が無防備にかかっているのを久しぶりに見た。
それを撫でながら、Aの可愛い寝息を聞く。
あぁそうだった。
毎晩毎晩、俺ァこれに癒されてたくて、したくないことも、なんだってこの時のために頑張ってた。
･
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あい(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます！予想に反することが出来て嬉しいです！こちらこそ、ご愛読ありがとうございました！ (2021年10月21日 3時) (
レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 完結おめでとうございます！いつも予想外の面白い展開で楽しみに待ってました！とても面白かったです！ありがとうございました！ (2021年10月19日 21時) (レス) @page32 id: b22efef821 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - うさぎさん» またまたコメントありがとうございます！無事完結させることが出来ました！是非次作も楽しみにしててください！ありがとうございました！ (2021年10月19日 2時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - またまたコメント失礼します！ 完結、おめでとうございます(*^o^*)作品更新の通知が来るたびに\(//∇//)\ってなってたので笑 少し寂しいようにも感じますが、これからも主様の作品を読んで、元気を貰おうと思います‼︎ (2021年10月18日 21時) (レス) @page32 id: d1ce909995 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます！お待たせしましたー！ (2021年8月30日 23時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年8月30日 10時
