真選組女隊士[銀魂] 2

86.ふり ページ38

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そんな日々を誰にも相談できなかったのは

時期が、ミツバ姉さんが死んだ日と被っていたから。

隊士に子供が生まれたから。

総悟や土方さんとシフトが被らなくなっていたから。


心配をかける程じゃないと、心配かけたくないと、そう思ったから。


言ったところで変わらないだろうとも思った。

シフトを変えてもらうには、時期が最悪すぎた。


最近は土方さんが私に休日を与えられないほど屯所は人数不足で忙しい。

しかも、夜の見廻りなんて好き好んでいく人、私か土方さんくらいだ。


眠いし、暗いし、怖いから。



｢Aさん、また夜出るんですか？｣


｢お、パパになったんだって？おめでとー！｣


｢パ、パパより父上って呼ばれたいです！｣


｢どっちでもいいわ｣


｢不良しすぎちゃダメですよー？｣


｢仕事だけどね。パパも早く帰ってあげな〜｣


｢Aさんにパパって呼ばれんのなんかいいな｣


｢私のパパは近藤さんだけどね｣



地に足つかない隊士を見届けて

うん、やっぱり何も言わない方がいいな、そう思った。


父になった隊士でも夜9時のこの時点でまだここにいる。


早く帰らせてあげないと。

隈を作って、育児で大変なお嫁さんの所に帰るなんて

どっちにも可哀想だ。


よーし、今日も一緒頑張るか！


不安になる心と、早くなる心臓に気付かないふりをして

屯所を出る。


今日は、誰の気配もしないかもしれない。


そうやって、今日も後ろに誰かがいるのを感じないふりをして

夜の江戸を歩き回る。






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