真選組女隊士[銀魂] 2

54.隊服 ページ4

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謹慎を始めてから何日経ったか。

数えてすらいなかった。


たまに来るのは山崎と女中さんだけだった。



｢ザキ、あんたは優しいね｣


｢Aさん･･･。謹慎終わったらもっと仕事増えますからね！

怠けないでくださいね！｣



信じているか、いないかはよく分からないけれど。


ザキはザキだった。


私はザキの言葉に、ただ笑った。


謹慎はきっと、このままじゃ終わらない。


彼女がここにいる間は、絶対に。


ザキの持ってくる書類、

こっそり置いていくお菓子。


それだけが、私の暇つぶし。


ご飯は食堂、なんて、行けるわけない。

食欲もない。


そんな私を見兼ねた女中さんがご飯を持ってきてくれるようになったけど

結局、ほとんど手はつけなかった。


作ってくれたのに申し訳ないけれど

食べたら、全部戻してしまいそうだった。


トイレに廊下を出たら、

飲み物をぶっかけられて、驚いた。


私は上司だぞ。


そうは思ったものの、関係ないか、と無視をした。


ベタついた髪をサッと洗ってまた部屋に篭もる。


夜はたまに泣いてしまった。


そしてある日、私は部屋を片付けた。

綺麗になった部屋に微笑んで、夜中の3時、私は隊服を脱いだ。


貯まりもしない書類を片し、

昔ミツバ姉さんがくれた着物を着た。


相棒の刀を上着に隠して、

薬を持って、


ただ一つ、簪だけは置いていけずに。


寝静まった屯所。


土方さんの部屋すら明かりは着いてない。


中庭から、簡単に外に出られたのは

近藤さんなりの配慮なんだと思う。


普通は、逃げないようにするでしょ？


いつ捕まるかな。


･･･今の屯所には、もう戻りたくないな。


バレたら怖いから、

走って屯所を離れた。


寒い。


目的の場所まで、一目散に走った。


少しくらい、心配してくれたりするかな。


･･･どうだろ。


真選組幹部が逃走したってなれば

心配よりも、捕獲したいって気持ちの方が強いかな。


いつまで、剣を振っているのかと総悟に聞かれたのを思い出した。


もう、あそこでは出来ないのかな。


私、あそこにしか居場所なんてないのに。


あそこでしか、生きていけないのに。


全部を失ってしまったら、私はどうしたらいい？


未練たらしく持ってきた簪に触れた。


私から剣を奪ったら、

強さを奪ったら、あの場所を奪ったら、


何も、残らないのに。





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