真選組女隊士[銀魂] 2

61.お嬢ちゃん ページ11

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話によると、私を謹慎にする前

松平のとっつぁんから色々と連絡が来たらしい。


調べ尽くした結果

表のお偉いさんに、お嬢ちゃんの名前が載ってなかったという。


いや、あの子の名前はどこにも、載ってなかったらしい。


なぜ、その疑問はきっと、彼女しか知らない。


懐っこいあの性格で

裏の社会の人間で、

そんな、頭の追いつけない情報。


まぁつまり、私はあの日逃亡する必要はなかったらしい。


死にかけたのに。


素性の知れない人間、それを簡単に逃がす訳にもいかず、

だからといって口を割らせるのは簡単じゃないと踏んだらしい。


とりあえず私を囮に色々聞き出そうとしたけれど

その前に、私に仕掛けられたと。


土方さんも近藤さんも

私を責めるような視線は演技だったわけだ。


まぁ、私が精神的に病んでいたのも事実。

そのせいで余計に自分を信じてくれる人すら見えなくなってたんだと。



｢･･･お嬢ちゃんが、悪い子にはやっぱり見えませんよ｣


｢被害者が何言ってんだ｣


｢･･･いい子とか、そんなんは演技かもしれない。

だけど、あの子が向ける私への笑顔や敬意は本物でしたよ｣



嫌いになった。当たり前だ。


意図的に私から居場所を奪ったその子を

まだ可愛いと、好きだと、褒められるような人間じゃない。


最初から、こういういざこざが嫌だった。


でも、確かにあの子はいい子だった。

何を考えているか分からない時もあったけれど。



｢怪我が治り次第突入できるように、

調べあげてください。

連れてかれた真選組元隊員とお嬢ちゃんの居場所。


すぐ切れます｣


｢･･･頼んだ｣



そう言って仕事に戻るその仕事人間。


その場に残ったのは銀髪と私。



｢毒は｣


｢んなもん薬飲んどきゃ抑えれるんで｣


｢栄養失調は｣


｢飯食えば治る｣


｢切れんのかよ｣


｢裏切った仲間切ってやるのも

立派な仲間の仕事でしょう｣


｢お嬢ちゃんをだよ｣


｢なんでです？

最初から、裏切り者だったんだから｣



私の返事に、旦那は何も言わなかった。


お嬢ちゃんを切れるのか、

切れると答えた私の心はどこか揺らいだ。


たった3ヶ月のその子しか知らない私。

私を裏切ったその子。


何に、こんなにも揺さぶられているのか

私にも良く、わからなかった。



｢冷たいねぇ、副長さんは。さっさと仕事行っちまった｣


｢あんなんですよ、昔から。

愛情表現みたいなのが心底苦手なんだよな旦那と一緒｣



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