私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

4.春の香り ページ4

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｢Aさん！･･･あ、旦那｣


｢俺をついでみたいにいうな、そしてAを狙うな｣


｢俺ァいつでもAさんを狙ってまさァ｣



パタパタと駆けてきた沖田くん。


いつも大人ぶってるけど、やっぱりどこか子供っぽい

そんな、少し可愛い沖田くん。


今日もニコニコと走ってきて、なんだか弟ができたみたいだった。


後ろから、煙草を吸った土方さんが着いてきて

銀時を見た途端分かりやすく顔を歪めたのが分かった。


私は、毎度の事ながらそんな反応にもくすりと笑ってしまった。


互いに嫌ってるのに、どうもこの腐れ縁は切れないらしい。


どこか似ている2人の雰囲気に

本当はもう、立派なお友達なんだろうな、と思える。


もうすぐ春だ。

どこか生暖かくて強い風が私たちの髪を煽った。


険悪な雰囲気とは似合わない、春の香り。


私の黒髪が風に遊ばれて、あぁ、髪伸びたな、なんて適当なことを考えてる。


目の前ではまさに口喧嘩が繰り広げられているのに。


なんか、ボーッとすることが増えたな。


この環境に慣れたから、こういうのも見なれたから、

だからかな。



｢銀時、雨が降りそうだよ｣


｢んぁあ？･･･たしかに、雲出てきたな｣


｢なんでィ、天気予報見てねぇんですかィ？

今日は豪雨ですぜィ。明後日から晴れるみたいでさァ｣


｢えぇー！！ほら、喧嘩してないで、早く行こ！

濡れて帰りたくないでしょ！沖田くん、土方さんさよなら！｣



イジイジと土方さんに文句を言う銀時の手を引っ張った。




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