私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

15.ごめんね ページ15

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｢本気かよ｣


｢本気だよ。ずっと考えてたの｣



ごめんね、と立ち上がった私は、寝室に向かった。


もちろん、銀時は追いかけてこなかった。


止められたら困るのに、止めて欲しい私はわがままだ。


まだ泣いちゃダメ、そう言い聞かせて、

前々から準備していた家出セットを手に取った。



｢ごめんね銀時｣



私の言葉にゆっくりと振り返った銀時は

見たことないほど辛そうな、悲しそうな、苦しそうな表情で


心臓が痛い。

押し潰されそうだ。


自業自得なのに。



｢･･･A｣



ポツリ、弱々しく私の名前を呼ぶ。


さらに口を広げようとした銀時を無視して

私は玄関に向かった。


だって、泣いちゃう。

これ以上銀時の声を聞いたら、

話を聞いたら、決意が揺らいじゃう。


私の決意なんて、ボロボロで脆くて。

簡単に崩れちゃうから。


ごめん、ごめん、何度も心の中で謝った。


今頃俯いてるんであろう銀時を思い浮かべて涙が零れた。


家を出て、病院に向かっている最中、涙が止まらなかった。


やっと、抜け出せた。


私を束縛して離さなかった場所から。

私がわざと引っかかった巣から。


ほら、やっぱり、あの辛そうな表情が、脳裏から離れなくなった。


笑ってよ、笑ってよ銀時。


お願いだから、いつもみたいに私を、笑わせてよ。

･･･銀時。


やだ、やだ、離れたくない。

行きたくない。離さないでよ。


死んだ私でも抱きしめてよ。


私は生きてないよ。


あなたの中で、私は永遠に生き続けるのに。


でも、貴方はこれがきっと1番幸せでしょう。


だって、生きる確率はないんだから。

必ず死ぬんだから。


そばで看取るのが幸せなのかな。

いつまでも夢を見続けるのが幸せなのかな。


正解のない問いを考え続けてる。


あぁ、貴方だけだよ。

私をこんなに悩ませるのは。




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