検索窓
今日:4 hit、昨日:13 hit、合計:201,876 hit

49.視線 ページ49






「あ、Aちゃん!」


「なんだいお嬢ちゃん」



あれから1週間経ちました。


この子めっちゃいい子です。

ごめん、めっちゃいい子。


最初は急なちゃん付けに戸惑ったけど、

あのクリリンとしたお目目にノックアウトされたなり。



「あの、ここの書き方がわからなくてね」


「ここは名前書いときゃいいよ。

不備があったら土方さんが何とかするだろうしね」


「そっかぁ、ありがとう!」


「お嬢ちゃん最近寝てないでしょ。

働きすぎないでね、まだ来て日も浅いし、無理しちゃダメだよ」


「ありがとう、でも大丈夫だよ!」



はぁんっ、いい子っ。


剣の腕に自信があると言ってはいたけれど、

そこに関してはお察しの通りボロボロ。


でも、稽古をつけて欲しいと言われて頑張ってる。


そこら辺のお嬢さんじゃ考えられないよね。


可愛くていい子で頑張り屋。

最初の頃嫌な顔してごめんね。



「Aちゃんは、どうやって強くなったの?」


「・・・さぁ?いつの間にかだなー。

でも、強くなるには代償が必要だよ。

お嬢ちゃんは、強くなろうなんて思わなくていい」



金持ちのまま、贅沢に

その優しさを人に当てればいいと思う。


キョトンとしたお嬢ちゃんに、ニコリと笑って見せた。



「そんな綺麗な体に、傷、付けちゃダメだよ」


「Aちゃんには傷がある?」


「私は嫁に行くつもりもないしね。

誰かとイチャコラするつもりも無いからいいの。


お嬢ちゃんは、そこら辺歩いてる人よりも幸せになりなよ。

そのためには、こんなとこ、いちゃダメなんだよ?」



本音だった。


悪気なんてなかった。


お嬢ちゃんを思っての言葉。


いて欲しくないとか、

そんな気持ちはもうほとんど無くて。


だからこそ、こんな男所帯で

剣をふってほしくなかった。



「優しいね」


「お嬢ちゃんこそね。

ほら、そろそろ夕飯だよ。

キリいいとこまで終わらせたら食堂おいで」


「うん!」



たたっと、部屋に入っていくお嬢ちゃん。


小動物みたいな女の子、ね。


自分はもちろん、周りにもいないタイプの可愛い子。

あ、そよ姫様もこのタイプかな?


私も、あぁ生きていたら、

羨ましいと、一瞬でも思ってしまって焦る。


私はこの道に、後悔はないのに。


先に食堂に向かって特等席に座ると

後ろから感じる、嫌な視線。


この一週間で、何かが変わっていることも

私はどことなく感じている。





50.嫌な気持ち→←48、不安



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
391人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。