48、不安 ページ48
・
「わーいお友達になれるといいなー。」
できるだけ棒読みになるように言ってみる。
みんな、まじかって顔で見てくるけど、まじじゃないよ。
誰か止めて。
「ほら、Aちゃんもそう言ってるし」
「でもなぁ」
「それで近藤さん、期間は?」
「…ん?」
「剣の腕?んなもん間に合ってます。
女性ってだけでよく見られないけれど、私一人で男何人分ですか?
どんな事情があろうと、そう簡単に規律を破るのはどうかなー」
私の言葉に、土方さんはため息をつく。
事情を知ってる人か、土方さんは。
なんとしてでもとめたかったみたいだけど、この女、引く気ないよ。
いったんこっちが引いた方が身のためだって。
お偉いさんなんて、私たちのことどうとでもできるんだから。
「そうだな、とりあえず3か月、後はそこから決めよう」
「なっあぎっうほっ」
なっっっっっが、と言いそうになったのを総悟に口をふさがれた。
な、ナイスだけど。
「もっとかわいい声出せねぇのかよ」
「私に可愛げを求めるなよ」
3か月かー。
私女友達はもう十分いるよ?
ゴリラと万年コスプレと、ストーカーと吉原の女と男女と、ほら、まだいるよ?
しかもみんないいやつじゃない?
この子はなんか、苦手だよ第一印象が。
思い込みはいけないな。うん。
男所帯にいるから、女の子と触れ合う機会なんてあんまりないしね。
…うん。
と、自分を説得。
だってさっきから視線がすごい。
睨まれてるわけでも、殺気を感じるわけでもないんだけど。
なんでこんなに見られてんのよ。
「はぁ、とりあえず3か月だ」
面倒くさそうにため息をつく土方さん。
やめてよ、幸先不安になるじゃん。
「いつもの4人以外は解散」
その声でぞろぞろと出ていく隊士たち。
不満そう。
そりゃそうだよね。異例だもんね。
私は今から何を怒られるのか心配でならないよ。
「おんまえはな、面倒なこと言いやがって」
「仕方ないじゃん。あれじゃ近藤さんが可哀想ですよー」
「いや、、、助かった…」
「んで、どんな事情があるんですか?」
「めっちゃ金持ちでな、とっつぁんに脅されてな、
でも別に剣ができるわけではないって聞いててな」
それからもぼそぼそめそめそと話し続ける近藤さん。
「ま、このご時世剣を扱える御嬢さんなんていないでしょうね」
あぁ、不安だ。
・
391人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時