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22、イライラ ページ22





ほれ、と半ば強制的に車椅子に乗せられる。


歩けたのに。

なんて思ったけど、確かに座ると足が楽で、痛みも楽になった気がした。


私のために車いすを押す旦那。

あぁ、妙だな。



「旦那、変です」


「あぁ?」


「変ですよ」


「2回も言わなくても聞こえてるっつの」


「私別に悲しくないですよ。

姉さんが死んだのは悲しいけど、きっと守りきれましたし。


真選組が見舞いに来ないのなんて分かりきってるじゃないですか。


どうせ、ミツバ姉さんがいなくなったら寂しさ埋めるために仕事してんでしょ。


そうじゃなくても、わざわざ私なんかのために出向きませんよ。

仕事人間と、姉をなくしたシスコンなんて」



だから、そんなにわかり易く優しくしないで。


飲み込んでいる感情が今にも出てきそうになるから。



「・・・無理してんじゃねぇよ。まだガキのくせによ。

あいつらはずっとてめぇのこと心配してたさ。


言ってた通り、どんな状況でも笑ってんのな、変なやつ。


・・・てめぇは背伸びしすぎだ」


「・・・男所帯で、刀を学んできたんです。

寺子屋には途中から行けませんでした。


色んなものを学んで、見て、聞いて、殺してきたんです。


背伸びしすぎて足がそのまま固まったんです」


「・・・今、お前の足は誰が見てもボロボロだ。

背伸びに耐えられなくなっちまったんだ。


今のお前の足じゃ、もう背伸びできねぇ。諦めるんだな」



旦那のその言葉に、屁理屈だな、と笑って返そうとした。

でも、その前に、黒が、私の目の前にあった。



「え」


「てん、め、心配かけさせやがって」


「・・・土方さんなんでそんな元気そうなの?!怪我してたよね?!怖っ!」


「そうじゃねぇだろてめぇ、くんなっつったろ、なんであそこに居た」


「・・・あって第一声がそれですか。

あたしゃみんなのために頑張ったつもりですがね」


「跡の残るような傷作りやがって」



どうするつもりだ、と瞳孔を開かせる土方さん。


なんで怒られてるんだ。

元はと言えばお前が単独行動しようとするから!


跡が残ったからなんだってんだ。

上司死ぬよりマシなんだよ。


・・・イライラしてきた



「なんで私が怒られなきゃなんないの・・・。


褒められようと頑張ったのに!土方さんのばーか!!!」



子供みたい、そんなの私が1番分かってる。


車椅子のタイヤを自分で回してその場を離れた。





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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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