真選組女隊士[銀魂] 3

98.ヤク ページ3

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怒鳴り声と泣き声で目が覚めた。

覚めたけど、目を薄く開けて、状況の把握をする。


冷たい。

布団の上でもなければ畳の上でもない。


終兄さんでも追いつけない速さで逃げたのか。

それとも、終兄さんまで捕まっていたり･･･。


いや、誘拐されているのは10代後半の女。

つまり私。


もし私のことを下調べして10代後半だと知っていたなら

真選組の私を狙うその覚悟だけは褒める。


もし下調べなんてせずに10代後半を当てているならキモイ。


怒鳴り声がどんどん鮮明になってきて

女性の泣き声が耳に届く。


やめてくれぇ、泣き声なんて聞きたくねぇよう。


ゆっくり、目を大きく開いてみれば

我が屯所より少し狭い、地下牢。


髪の毛を鷲掴みにされて泣き叫んでいる女性を見つけて

そこに駆けつけようと思ったけれど足も手も縛られていて何も出来ない。



｢くそ･･･、ちょっと！目が覚めた途端これは酷いんじゃない？！｣



今日はせっかく土方さんに髪をひとつに結ってもらっていたのにそこら中から髪がはみ出てきている。悲しい。


この着物だって、ちょっと好きなのを選んだし･･･。

いや、お妙さんに日頃の謝罪用のお菓子を届けに行っただけなんだけど。


遠足も、帰るまでが遠足って言うもんね。

私の今日の任務、終わったつもりがまだ終われてなかったんだ。



私の大きな声に反応した、厳つい男がその女の人を話してこっちに向かってくる。


女の人、なんて言ってるけど、あの人も同じような年齢ってことだよね。



｢よぉ、気分はどうだ｣


｢さいっあくよ、ここどこ｣


｢教えねぇよ！｣


｢じゃあ携帯返して！｣


｢返すわけねぇだろアホか！｣


｢せめて縄解いてよ！｣


｢暴れられたらたまったもんじゃねぇからな。

ま、どうせお前もしばらくしたら大人しくなんだろ、そしたら解いてやるよ｣



どういうこと？

そう思って、無意識に周りを見渡せば、

白目を向いていたり、ヨダレを垂らして伸びている女が沢山。


なるほど、ヤクか。







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