108.ごめんね ページ13
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｢にいさ･･･｣
｢俺の妹は俺をお兄様って呼んだ｣
｢え･･･？｣
｢レースの着いた服は動きずらいと怒ったし
トランプは俺に勝ったことは無かった｣
優しい笑顔は、寂しそうな笑顔に変わる。
あぁ全て、気づいてたんだなぁ。
｢記憶が無いと言われればそれまでだけど
お前は、記憶が無いにしては色んなことを知ってたからな｣
全部分かった上で、また、兄さんをしたんだ。
私が偽者だってわかっていても
妹だと、思っていたかったんだなぁ。
｢あいつは、お前みたいに聞き分けは良くないし
文字を読むのも苦手だった、もう、16歳なのにな｣
｢･･･妹さんは｣
｢なぁ、もし着いてきてくれるなら、
俺はお前に不自由な暮らしはさせないし、ずっと、2人で、幸せに暮らせる｣
究極だな、と、思ってしまった。
選ぶ道はもちろん決まっているのに
この人に湧いた情が、手を、離してくれない。
｢･･･ごめんね、兄さん。
私、血は繋がってない、手のかかる兄貴が沢山いるの｣
｢あぁ･･･｣
｢兄さんとは、行けないや｣
｢うん･･･｣
ごめんね、もう一度謝って、
逃げたい？と、そう聞いた。
警察なのに、犯罪者を逃がそうとしている私を、
きっと2人は酷く責めるだろうけど。
だけど、兄さんは首を横に振って
連れてってくれ、と私に笑ってくれる。
私達は、1度も手を離さないで、懐かしい声の持ち主に会いに行く。
｢土方さん、遅かったですね｣
｢んだその服｣
｢可愛いでしょう｣
｢おい、早くそいつの手放せ。おめぇと手錠つけさすぞ｣
横入りしてきた総悟に言われた通り
私はその人の手を1度だけ強く握って、パッと手を離して上にあげた。
総悟はそんな私を横目に、その人に手錠をつけて歩き出す。
珍しく仕事をしている総悟の、珍しい隈。
もちろん、それは、いつも通り土方さんにもあって
ずっと、探してくれてたんだろうなぁ、と、ほっこりしてしまう。
｢･･･名前は？｣
｢え？｣
｢･･･お前の｣
立ち止まったその人が私の名前を聞くから、
私は、笑顔で名前を教えてあげる。
｢A･･･｣
そう名前を1度だけ呼んで、そのまま歩いていってしまって
あ、そういえば、あの人は最初から、妹の名前すら、呼ばなかったな。と気づく。
そんな、私の不思議な体験。
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こな - とっても面白かったです！！沖田と土方がお兄ちゃんしてるの最高です。投稿待ってます！ (7月31日 18時) (
レス) @page14 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
piita(プロフ) - 最高でした！ (2023年3月31日 10時) (レス) @page14 id: cd1b8db288 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 夏見りんさん» コメントありがとうございます、また返信遅くなり申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新できておりませんが、きとんと、更新するつもりはありますので、待っていただけると嬉しいです！ (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
夏見りん(プロフ) - 体に影響無いぐらいで更新頑張ってください。 (2022年4月21日 19時) (レス) @page14 id: 36dca4defb (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続き気になります！！ (2022年3月21日 23時) (レス) @page14 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2022年1月26日 19時
