お前の生きる意味 [銀魂ｰ土方十四郎]

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人身売買、その言葉自体最悪だっつーのに

入ってくる詳しい内容は更にその場にいる全員の気を悪くさせた。


粛清の予定は明後日。

それまでに準備をしろと告げてとっつぁんは帰っていった。



｢日本で人身売買ねぇ｣


｢ま、絶対ないとは言いきれねぇでしょうねィ｣



なんと言っても日本で1番栄えてる江戸で

俺らの手が行き届かねぇ場所があっても仕方はない。


が、人身売買、ねぇ。


はいよと配られた書類に目を通しながら

本番について考える。


人の部屋で勝手に昼寝を始める総悟は無視し

アジトまで調べ尽くしてあるそこでどう動くかを考える。


攘夷志士の仕業か、そうでないか、

そこまでははっきりしないらしい。


第1にすることは、商品にされてる人の保護。


商品。


俺らのように剣を握ることも出来ないような、

自分の足で逃げることも出来ないような、

売られるしかないような、そんな人間を捕まえて売り物にして。


それで金を得る。


どうもこの世界にはクズが多すぎる。


呑気に昼寝をする総悟も

それなりに色々と考えてるんだろう。


俺は新しいタバコをくわえながら

ラベルの希矢素絶という文字を見て、Aと名乗った女を思い出す。


吸わねぇ人間が知ってるもんか？

知ってるやつは知ってるか。


考えることは山積みで

そいつのことを考えている暇なんてないはずなのに

どうにもひっかかるから、思い出す。


あの不思議な雰囲気に、異様なオーラに、惹き込まれちまったか？






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